- イーサリアムブロックチェーンのデンクンアップグレードが稼働したが、レイヤー2暗号資産のパフォーマンスはまちまちだった。
- ポリゴン、アービトラム、スタークネットが上昇を主導したが、イミュータブルXとセロは下落した。
13日にイーサリアムブロックチェーンの待望のデンクン(Dencun)アップグレードが稼働し、レイヤー2プロトコルでのより安価なトランザクション(取引)が可能になったが、イーサリアムネットワークに関連する暗号資産のパフォーマンスはまちまちだった。
ポリゴンとアービトラムが大きく上昇
ポリゴン(MATIC)とアービトラム(ARB)はアップグレード前に8%~10%上昇したが、アップグレードが始まる協定世界時(UTC)13時55分までには上昇幅を縮めていた。どちらも過去24時間では依然として6~7%上昇している。一方メティス(METIS)は2%上昇しており、取引高上位の暗号資産のパフォーマンスを示すCoinDesk 20(CD20)の1.5%上昇を上回っている。
スタークネット(STRK)はアップグレードが稼働するまで下落していたが、その後10%近く上昇し、下落を帳消しにした。直近では24時間で6%上昇している。スタークネットはX(旧Twitter)に、デンクンが可能にする手数料削減の恩恵を受ける「ブロブ」内の最初のデータバッチをすでに送信したと投稿した。このネットワークの開発を支えるスタークネット財団(Starknet Foundation)も12日に、ユーザーのコストをさらに削減する計画を発表した。
オプティミズム(OP)も10%近く上昇したが、デンクンに先立って競合する暗号資産よりも大きく下落し、この日の上昇率は2%未満だった。ゲームに特化したレイヤー2であるイミュータブルX(IMX)は上昇が短期間で終わり、6%下落した。セロ(CELO)は7%下落したが、イーサリアムブロックチェーンのネイティブトークンであるイーサリアム(ETH)は4000ドル(約60万円、1ドル150円換算)弱でほぼ変わらない水準だった。
イーサリアムに調整の可能性
イーサリアムエコシステムにとって直近1年近くで最大の節目と考えられているデンクンでは、混雑で評判が悪くなっているイーサリアムブロックチェーンにデータを保存する新しい方法が導入された。この変更により、レイヤー2ネットワーク上のトランザクションコストが数セントに削減されるため、活動が活発化してより多くのアプリケーションが集まることが期待されていた。
イーサリアムとレイヤー2の暗号資産はデンクン稼働までの数週間に好調に推移していたが、QCPキャピタル(QCP Capital)は、アップグレードへの期待が過ぎ去ったことと、近い将来にアメリカで現物イーサリアムETF(上場投資信託)が承認される可能性が低下したことにより、イーサリアムが調整に見舞われる可能性があると指摘した。暗号資産市場の調整は、少なくとも10%の下落になることが多い。
|翻訳・編集:林理南
|画像:CoinDesk
|原文:Arbitrum’s ARB, Polygon’s MATIC Lead Gains as Ethereum’s Dencun Upgrade Goes Live