少し期待はずれに終わった。
2年間の取り組みと1年以上にわたる大々的な宣伝、そして規制による遅延の末、バックト(Bakkt)のビットコイン先物は精彩を欠いた取り引き初日となった。
ニューヨーク証券取引所の親会社であるインターコンチネンタル取引所が立ち上げた新しいプラットフォームでの取り引きは、9月23日22時(協定世界時)の取引終了時点で日次契約が2件、月次契約が71件のみに終わった。1件目の日次契約はローンチから18時間後まで成立しなかった。
だが、コインベースの幹部からバックトCOOに転じたアダム・ホワイト(Adam White)氏は楽観的なようだ。
同氏はCNNのインタビューで、ICEの先物市場のローンチは「ビットコインの価格発見のための、規制をクリアしたエンド・ツー・エンドの市場を人々が初めて手に入れた」ことを意味すると語った。
ホワイト氏は、ここでの取り引きが価格発見につながることを期待しており、注目のほとんどは機関投資家マネーがバックトを通じて、このマーケットに入ってくるという(現時点では実現していない)可能性に集中しているが、個人投資家が参入するためのドアが開かれたと述べた。
「バックトはまさに機関投資家向けに設計されている。ここは先物市場。とは言え、我々は先物がリテール仲介業者を通じて取り引きされることを期待している。つまり個人投資家も取り引きできる」
同氏はまた、ICEはバックトと先物市場に「2年間取り組んでいる」と指摘した(このプロジェクトは2018年夏に初めて公表された)。
しかし、需要の盛り上がりは鈍いようだ。
米商品先物取引委員会(CFTC)の新委員長、ヒース・タルバート(Heath Tarbert)氏はCNBCへのコメントの中で、仮想通貨分野にも言及し、仮想通貨デリバティブ商品の需要は伸びているものの「他のコモデティ資産の需要をはるかに下回っている」と指摘した。
ビットコイン価格の予想が可能に?
ホワイト氏は22日、バックトの月次契約は12カ月まで伸ばすことができるため、トレーダーはビットコインの年間価格の予測が可能になるだろうと指摘した。
「これは投機家のみならず、マイニング企業など、ビットコイン価格に依存している実際のビジネスにとっても重要。彼らはリスクを減らしたいと考えており、先物市場はそうしたビジネスに最適と我々は考えている」
先物市場はまた、次の半減期までの数カ月間のビットコイン価格の予想に役立つだろうと同氏は述べた。
「半減期により、需要が同じままであれば、供給は減少し、価格は上昇する。我々はこれは先物取引の重要な部分であり、企業がビットコインの公正な市場価値を見通すことに役立つと考えている」
次のビットコインの半減期は2020年5月頃と予想されている。
CoinDeskのビットコイン価格指標によると、バクットの月次、日次の取り引きはそれぞれ9900ドルをわずかに下回った。
翻訳:CoinDesk Japan編集部
編集:増田隆幸
写真:Adam White image via CoinDesk archives
原文:Bakkt’s Bitcoin Futures Already Open to Retail Investors, COO Says