ビットコインの「上昇ウェッジ」に要注意:チャートアナリストが指摘
  • 暗号資産アナリストのジョシュ・オルシェビッチ氏によると、ビットコインの上昇ウェッジパターンは価格引き下げの可能性を示唆している。
  • ビットコインの10日間の変化率は、価格の上昇から乖離している。

ビットコイン(BTC)の価格チャートに重要なパターンが出現し、今後の引き下げの可能性を示唆している。

この暗号資産(仮想通貨)は2週間足らずで6万ドルから7万ドルを超える史上最高値まで上昇した。テクニカル分析理論によれば、この上昇は弱気を示すパターンである「上昇ウェッジ」の形をしている。

「通常、上昇ウェッジは弱気に向かう」と暗号資産アナリストでトレーダーのジョシュ・オルシェビッチ(Josh Olszewicz)氏はCoinDeskに語り、この先、典型的な強気相場が後退する可能性を指摘した。

上昇ウェッジのパターンは、高値と安値を結ぶ直線が、頂点と呼ばれる一点に向かって収束する上向きの傾斜トレンドラインで構成される。トレンドラインが収束するのは、強気の勢いが着実に弱まっていることを示す。したがって、最終的なウェッジのブレイクダウン、つまり安値を結ぶトレンドラインを下回る動きは、弱気な展開を意味し、より深い価格損失への道を開く。

ビットコインの上昇ウェッジパターンは、今後の下落を示唆している。(TradingView/CoinDesk)

また、10日間の価格の急騰・急落を示す10日変化率(ROC)といった他の指標は、価格の上昇と乖離している。

乖離は下降モメンタムが高まっていることを示唆し、しばしば価格の反落を予兆する。2017年と2020-21年の強気相場では、20%以上のプルバックがよく見られた。

しかし、オルシェビッチ氏は、今回の反落は短期間で終わると予想している。「ETFの資金流入とマイクロストラテジー(MicroStrategy)のマイケル・セイラー(Michael Saylor)氏が買い増しを続けていることを考えると、潜在的なウェッジ・ブレイクダウンの後に価格がリトレースしたとしても、ベアが長く圧力をかけ続けることは難しい」とオルシェビッチ氏は説明する。

ビットコインの10日間変化率は価格上昇と乖離している。(TradingView/CoinDesk)

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:TradingView/CoinDesk
|原文:Beware of Bitcoin’s ‘Rising Wedge,’ Chart Analyst Says