Web3に特化したファンド、Decima Fund(デシマファンド)は3月14日に、総額約45億円の資金調達を完了したと発表した。
同ファンドは、海外を目指す国内プロジェクトや日本進出を目指す海外プロジェクトのインキュベーション、および上場トークンへの投資を目的として組成。すでに投資を決定している10件をはじめ、Web3領域における日本のプレゼンス強化に取り組んでいくという。
なお、「デシマ」という名称は、江戸時代、幕府によって長崎に作られた海外との窓口「出島」に由来。かつて出島が果たしたように、Web3において、日本と世界をつなぐという意味が込められている。
共同創業者の松澤翔太氏はCoinDesk JAPANに「Web3特化型ファンドとして、Web3産業における日本市場とグローバル市場の橋渡しを目標としています」とファンドに込めた思いについて語り、「日本への進出意欲がある海外起業家と、グローバル展開を目指す日本人起業家を支援していきます」と続けた。
Decima Fundは、Web3プロジェクトに出資する際に株式のみならず、プロジェクトが発行するトークンに対しても出資を行う。さらに未上場トークンへの投資だけでなく、「上場トークンの運用機能も備えていることが特徴」と松澤氏は述べた。
松澤氏は、金融大手、香港でのVC投資などを経て、2020年に金融庁に入庁。海外フィンテック企業の誘致を担当した経歴を持つ。
今回の資金調達は、ビットコインが史上最高値を更新するなど、強気相場でのタイミングとなった。このタイミングでの本格始動について、共同創業者の川浪創氏は「ビットコインの価格上昇が長期的なトレンドであり、ブロックチェーン技術や暗号資産の普及に対する市場の信頼と期待を反映していると考えています。Decima Fundとして、このような局面に関わることができることを大変光栄に思っています」と述べた。
ファンドの運営には、gumi、MZ Cryptos、SBIホールディングス、さらには香港のアニモカブランズ(Animoca Brands)がゼネラルパートナー(GP)として参画。いずれもWeb3分野への積極的な取り組みで知られている。
|文:CoinDesk JAPAN編集部
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