- ビットコインが6万4000ドルを割り込んだことで、先物トレーダーは4億4000万ドル(約660億円)以上の損失を被り、バイナンスとOKXでは大幅な清算が行われた。
- イーサリアム、ソラナ、ドージコインなどの主要暗号資産も損失を被り、グレイスケールのGBTCからの資金流出が記録的な高水準となる中、ビットコインは5万5000ドルまで下落するとの予想も出ている。
ビットコイン(BTC)が6万4000ドルを割り込んだことで、価格上昇に賭けていた暗号資産先物トレーダーは4億4000万ドル(約660億円、1ドル=150円換算)以上の清算を余儀なくされた。一部のトレーダーは、ビットコインが短期的に5万5000ドル台まで下落すると予想している。
Coinglassのデータによると、ビットコインのロングベットだけで1億ドル(約150億円)の損失が発生し、イーサリアム(ETH)、ソラナ(SOL)、ドージコイン(DOGE)では、合わせて1億2000万ドル(約180億円)のロング清算が発生した。
データによると、最も多くの清算が行われたのはバイナンス(Binance)で2億1200万ドル(約318億円)、次いでOKXで1億7000万ドル(約255億円)だった。
グレイスケール(Grayscale)のGBTCからの流出額が6億4000万ドル(約960億円)超と記録的な高水準となる中、ビットコインは3月18日の米国時間後半に下落を開始した。他の商品への流入は5億ドル(約750億円)弱で、最終的に18日の市場は1500万ドル(約22億5000万円)の純流出となった。
CoinGeckoのデータによると、主要トークンは過去24時間で11%も下落した。ETH、SOL、カルダノ(ADA)は8%も下落した。さまざまな主要トークンからステーブルコインを除いた幅広いCoinDesk20指数(CD20)は8%下落した。
清算とは、トレーダーの初期証拠金の一部または全部の損失により、取引所がトレーダーのレバレッジポジションを強制的にクローズすることを指す。これは、トレーダーがレバレッジをかけたポジションの証拠金要件を満たすことができない(取引を継続するための十分な資金がない)場合に発生する。
一方、一部のトレーダーは、長期的な強気見通しを持ちながらも、ビットコインが今後数週間で5万5000ドルまで下落すると予想している。
暗号資産レンディング会社Lednの最高投資責任者(CIO)であるジョン・グローバー(John Glover)氏は電子メールで、「最近の上昇のペースから、いつ調整が完了するのかを予測するのは難しいが、次の上昇の前に6万2000ドルから5万5000ドルくらいまで下げる動きがあると見ている」と述べた。
「リテールプレーヤーはビットコインETFに一斉に参入し始めたばかりで、次の大きな参入は半減期と重なるため、1カ月ほどで面白くなるはずだ」とグローバー氏は付け加えた。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
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|原文:Bitcoin’s Slump Sees Crypto Bulls Staring at $440M in Liquidations