- イギリスの金融行動監視機構(FCA)は今年、暗号資産に対する市場濫用規制を導入する予定だ。
- この制度は、イギリスの取引所で取引されている暗号資産で市場濫用(インサイダー取引や相場操縦など)を行った者に適用される。
イギリスの金融行動監視機構(FCA)は、今年中に暗号資産(仮想通貨)に対する市場濫用(インサイダー取引や相場操縦など)に対する規制を導入する方向であることが、3月19日に発表された事業戦略で明らかになった。
この計画は、消費者の保護、市場の健全性の確保、国際競争力の促進を目的としている。昨年、イギリス政府は暗号資産に対する市場濫用規制を含む協議内容を発表していた。
「市場濫用罪は、イギリスの暗号資産取引所で取引が認められている(または認められるよう要求された)暗号資産で市場濫用を行うすべての者に適用される」と、政府は10月の暗号資産に関する協議の回答で述べている。「これは、その人物がどこに拠点を置いているか、どこで取引が行われているかに関係なく適用される」。
提案されている制度は、例えば、暗号資産取引所に対し、市場濫用行為を検知し、阻止することを義務付けるものだ。
FCAはイギリス国内の主たる暗号資産規制機関だ。これまでFCAは、リスク警告の追加や初回購入者向けの24時間のクーリングオフ期間などの要件を含む、暗号資産のプロモーション規制を実施してきた。FCAはまた、ステーブルコインの規制についても協議している。
また、2024年から2025年にかけての計画では、「ステーブルコインの新規制とより広範な規制実施にかかる費用として620万ポンド(約11億7800万円、1ポンド=190円換算)、それについてのプロモーションの費用として20万ポンド(約3800万円)」を用意するとしている。しかし、その実施方法については明らかにしていない。
CoinDeskはさらなるコメントを求めている。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:FCA
|原文:UK Regulator FCA Plans to Deliver a Market Abuse Regime for Crypto This Year