仮想通貨取引所バイナンス、ISOセキュリティ認証を取得──ハッキング被害や情報漏洩の挽回なるか

世界最大の取引量を誇る仮想通貨取引所、バイナンス(Binance)は、国際標準化機構(ISO)が定める基準を満たしたとして、情報セキュリティ認証を受けたと発表した。

バイナンスによると、国際的に認められた情報セキュリティ管理に関する規格であるISO/IEC27001に準拠するために、ノルウェーに本拠を置く国際認定認証機関及び船級協会であるDNV GLと、企業をさまざまな基準で評価する国家認定機関、英国認証機関認定審議会(UKAS)の監査を受けたという。

この認定により、バイナンスは「仮想通貨業界で初めてDNVとUKASの認証を受けた企業」と同社は2019年9月24日(現地時間)にCoinDeskに宛てられた電子メールにて主張している。

監査では、セキュリティポリシー、資産管理、運用セキュリティ、情報システムなど、14のカテゴリーにわたる114の基準についてバイナンスは調査された。

バイナンスCEOであるジャオ・チャンポン(Zhao Changpeng; 通称“CZ”)氏は、発表の中で次のように述べた。

「ISO認証を取得することは、業界およびコミュニティに対する我々のセキュリティ面の尽力における重要な一側面である。我々は、サイバーセキュリティにおける防衛能力の改善に向けた投資や取り組みを引き続き推進する」

同取引所で今年5月に4070万ドル相当のビットコインがハッキングされたことを鑑みると、今回の認定はユーザーを安心させるのに役立つだろう。

当時、同CEOによると、誰かが悪意を持って、ユーザーのAPIキー、二要素認証コード、および「もしかするとその他の情報にも」アクセスしてシステムに侵入し、仮想通貨を引き出したという。

バイナンスはまた、最大6万人のユーザーの顧客確認(KYC)認証データを最近になって漏洩したが、その際にはサードパーティのサービスプロバイダを非難している。

翻訳:新井朝子
編集:T.Minamoto
写真:CZ image courtesy Binance
原文:Crypto Exchange Binance Awarded ISO Security Accreditation