暗号資産ゲームのピクセルスがロニンブロックチェーンの復活を促進

今年の強気市場では、暗号資産(暗号資産)ゲームを含め、過去のサイクルで話題になった多くの暗号資産のナラティブ(物語)が復活した。暗号資産ゲームの分野では、過去のゲームブームを席巻したアクシー・インフィニティ(Axie Infinity)で使われていたロニン・ネットワーク(Ronin Network)が戻ってきた。

ロニンのユーザーベースは700%以上増加

トークン・ターミナル(Token Terminal)によると、2024年に入ってからロニンのユーザーベースは700%以上に膨れ上がり、ソラナブロックチェーンのミームコインに牽引された分散型金融(DeFi)分野や、メッセージアプリのテレグラム(Telegram)が暗号資産への取り組みを強化する際のオンチェーンの拠点としているトンコイン(TON)よりも速いスピードで成長している。

ある一つのゲーム、ピクセルス(Pixels)がロニンの復活の原動力となった。このローファイ(意図的に低品質にした)ファーミングゲームでは、プレイヤーはデジタル土地の区画を設定し、デジタル通貨を獲得するためにクエストに向かう。DappRadarによると、過去1カ月間で125万人のユニークユーザーが接続してプレイしているという。

数字の下では、アクシー・インフィニティを取り巻く熱狂と一致するエネルギーの波がピクセルスに流れ込んでいる。ニューヨーク・タイムズによると、特にフィリピンでは、P2E(Play to Earn)のゲームが生計を立てるための現実的な方法に戻ってきているという。ロニンブロックチェーンの開発元スカイ・メイビス(Sky Mavis)の成長責任者を務めるジェフェリー・ジルリン(Jeffery Zirlin)氏はCoinDeskとのインタビューで、その人気は予想以上だと語った。

ファーミングゲームのピクセルスとは?

ジルリン氏は、「暗号資産ゲームは業界にスタジオ品質のビデオゲームが登場して初めて成功を収めると一部の人は考えていた」と語った。実態はそうではなく、この分野にエネルギーを注いでいる最も人気のあるゲームとなったピクセルスは、レッド・デッド・リデンプションIIのような傑作とは言いがたい、どこか懐かしいピクセル化されたファーミングゲームだ。

アクシー・インフィニティとは異なり、ピクセルスはスカイ・メイビスがロニンネットワーク用に構築したものではない。ピクセルスはポリゴン(Polygon)ブロックチェーンで活動を開始し、現在の強気の動きが広まる前の昨年10月にロニンに移行した。ジルリン氏によると、当時のピクセルスの1日あたりのアクティブユーザー数はおそらく3000人だったという。今では75万人にもなっている。

こうした数字は、アクシー・インフィニティが最盛期に持っていたエネルギーのほんの一部に過ぎない。それでも、ジルリン氏はロニンにはさらに大きなユーザーベースがあると述べた。同氏によると、ロニンのウォレットのダウンロード数は1270万件だという。ウォレットをダウンロードした人は少なくとも(インフラの観点から)、ピクセルスでのゲームプレイを加速できるNFTを購入する準備ができている。

注目すべきは、NFTを購入する必要はないということだ。ピクセルスは、ユーザーが最初から暗号資産に対応している必要がないという点でアクシー・インフィニティと異なる。ユーザーはウォレットを設定して、後で稼ぎ始めることができる。

ジルリン氏は、ロニンとスカイ・メイビスは暗号資産ゲームの「季節性」にもかかわらずこれに賭け続けると語った。この業界のほとんどすべてのことと同様、ゲームは強気相場では(本当に)好調だが、弱気相場では失速する可能性がある。同氏は、同社は変動に対処するための備えをしており、実際そのために構築されているとコメント。「そのように計画すれば、実際のところネガティブな面はない」と述べた。

|翻訳・編集:林理南
|画像:ジェフェリー・ジルリン氏(Shutterstock/CoinDesk)
|原文:Pixels Crypto Game Fuels Resurgent Ronin Blockchain