米下院、金融犯罪対策へのブロックチェーン活用に向けた法案を可決

2019年9月19日(現地時間)に米下院は、金融犯罪取締ネットワーク(Financial Crime Enforcement Network:FinCEN)がブロックチェーンを含む「革新的技術」の活用法を研究させるための法案を通過させた。本法案は上院での検討に移った。

「法執行に資する技術革新推進」法案はFinCENのディレクターに対して、ブロックチェーンやその他先進技術がどのように当局の業務改善に活かせるかを検討させるものだ。

FinCENのディレクターは「AIやデジタルID技術、ブロックチェーン技術、その他の革新的技術を更に活用して、FinCENのデータ分析をより効率的、効果的にできるか調査を実施する」と法案に記されている。

オハイオ州選出で1期目の下院議員、アンソニー・ゴンザレス(Anthony Gonzalez)氏は下院金融業委員会の委員であり、本法案を金融犯罪に立ち向かうハイテクな手段になるとして5月に提出した。

「 マネーロンダリングは、あらゆる犯罪をただ可能にするのみならず、カルテルや不正取引者、テロリストに経済的利益をもたらします。本法案は、マネーロンダリングの摘発と阻止に向けて最適な技術を活用できるようにするものです」と同議員は述べている。

政府向けにブロックチェーン技術のソリューションを促進する政府ブロックチェーン協会(Government Blockchain Association)のジェラルド・ダッシュ(Gerard Daché)会長は、進捗はかなり遅れていると語った。

往々にして政府は「悪者」とそのブロックチェーン・ツールに追いつこうとしているが、時代遅れの技術に時間やエネルギーやお金を無駄にして、敵の後塵を拝していると同氏は嘆く。

「まるでダチョウが追い詰められて頭を砂に突っ込み、隠れたつもりになっているようなものです」と同氏は言う。「FinCENのような政府組織はこういったツールがどう使われるかを研究し、そしてそれを自分の武器に取り込む必要があります」

「悪者がそういったものを利用している時代には、我々は技術の戦場で彼らに対峙しなければならないのです」

翻訳:下和田 里咲
編集:T.Minamoto
写真:House of Representatives image via Shutterstock
原文:US House Passes Bill for FinCEN to Study Blockchain Use