ビットコインとイーサリアムがともに上昇──世界的な緩和サイクルが始まる
  • アジアのビジネスウィークは、主要暗号資産が堅調に推移し、CD20は5%上昇した。
  • これは、スイス国立銀行が主要中央銀行として初めて利下げに踏み切ったことで、世界的な緩和サイクルが始まったことが一因と考えられる。

ブラックロック(BlackRock)が現実世界資産(RWA)トークン化に乗り出したことや、世界的な中央銀行の緩和サイクルが始まったことに好感し、暗号資産(仮想通貨)市場はアジア取引時間を上昇でスタートした。

世界最大の暗号資産であるビットコイン(BTC)は、24時間ベースで4.9%高の6万7300ドルで取引され、イーサリアム(ETH)は4.7%高の3400ドルで取引された。最も流動性の高い暗号資産の指標であるコインデスク20指数(CD20)は、報道時点では約5%上昇した。

CryptoQuantのアナリスト、ブラッドリー・パーク(Bradley Park)氏は、BUIDL(ブラックロック・米ドル機関投資家向けデジタル流動性ファンド:BlackRock USD Institutional Digital Liquidity Fund)と呼ばれるイーサリアム上のトークン化された製品をターゲットにしたブラックロックのファンドを市場が消化したことが上昇の要因だと分析している。

ビットコインとイーサリアムのショートは大きな損失を被っている。CoinGlassによると、レバレッジをかけた先物ポジションは過去24時間で1億ドル(約150億円、1ドル=150円換算)以上が清算され、そのうちBTCのショートポジションは約6000万ドル(約90億円)、ETHのショートポジションは約4280万ドル(約64億円)となっている。

(CoinGlass)

一方、グレイスケール・ビットコイン・トラスト(GBTC)からの売り圧力が鈍化したため、BTCは上昇する可能性がある。アナリストはGBTCの流出が増加した理由として、ジェネシス(Genesis)による売却を指摘している

マクロ要因は引き続き強気だ。先週、スイス国立銀行(SNB)が予想外に基準金利を引き下げ、世界的な緩和サイクルが始まった。メキシコ中央銀行も利下げを実施し、アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)、欧州中央銀行(ECB)、イングランド銀行(GBB)は、今後数カ月のいわゆる流動性緩和の土台を築いた。

「相場の調整はとっくに終わっているように見えるが、中期的には、株式、住宅用不動産、ゴールド、ビットコインなどにとって、かなり明るい材料になりそうだ。この角度から見れば、株式とゴールドがすでに史上最高値を更新したことは驚くべきことではない」と、ブロクランド・スマート・マルチアセット・ファンド(Blokland Smart Multi-Asset Fund)の創設者兼マネージャーはXで述べ、世界的な緩和サイクルの到来を説明した。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Bitcoin, Ether in the Green as Global Easing Cycle Begins