- ビットコインスポットETFは3月25日に1500万ドル以上の資金を集め、5日間続いた資金流出を止めた。
- 四半期が終わりに近づくにつれて資金流入が加速する可能性があると、あるアナリストは述べた。
投資会社ファーサイド・インベスターズ(Farside Investors)が発表した暫定データによると、ナスダック(NASDAQ)上場のスポット型ビットコイン(BTC)上場投資信託(ETF)は3月25日、合計1540万ドル(約23億円、1ドル=150円換算)の資金流入を記録し、5日間続いた資金流出に終止符を打った。
フィデリティ(Fidelity)のFBTCが2億6180万ドル(約392億円)の資金流入でリードし、ブラックロック(BlackRock)のIBITが3550万ドル(約53億2500万円)を集めた。その他、ビットワイズ(BitWise)のBITB、インベスコ(Invesco)のBTCO、フランクリン・テンプルトン(Franklin Templeton)のEZBC、ヴァルキリー(Valkyrie)のBRRRなどのファンドがそれぞれ1100万ドル(約16億5000万円)から2000万ドル(約30億円)の資金を集めた。一方、グレイスケール(Grayscale)のGBTCは資金流出を続け、3億5000万ドル(約525億円)強を失った。
先週、GBTCからの大量引き出しにより、ETFは累計8億8760万ドル(約1331億円)の資金流出を記録した。
1月にアメリカでデビューした十数種類のスポットETFは、投資家が暗号資産(仮想通貨)の所有や保管の手間を省きながら、主要な暗号資産へのエクスポージャーを得ることを可能にするものだ。これらのETFはビットコインに直接投資し、2021年10月に稼働した先物ベースのETFの主な特徴であるポジションのロールオーバーの必要性を排除している。
スポットETFの取引開始以来、ビットコインは50%以上上昇している。3月25日には価格が4%強上昇し、7万1000ドルの大台を突破した。
10x Researchの創設者であるマーカス・ティーレン(Markus Thielen)氏は、四半期末のフローは通常よりも強く、暗号資産の価格を新高値に引き上げる可能性があると述べた。
「ビットコインETFのフローは25日に魔法のように好転し、フィデリティはそれまでの3セッションでは1800万ドル(約27億円)、300万ドル(約4億5000万円)、1300万ドル(約19億5000万円)だったが、突然、2億6200万ドル(約392億円)の買い手を見つけた。火曜日のフロー(30%)は、木曜日(16%)と金曜日のフロー(12%)と食い合い、月曜日と水曜日(各21%)は平均的な20%のシェアになる傾向がある」とティーレン氏は26日のニュースレターで述べた。
「ビットコインが7万ドルを超えたことで、26日のフローは再びプラスに転じる可能性がある。四半期末で、フローは通常よりも強くなるかもしれない」とティーレン氏は付け加えた。
ティーレン氏は、ビットコインが再び積極的な上昇を描くためには、スポットETFの資金流入とドルペッグステーブルコインのテザー(USDT)の発行が回復する必要があり、そうでなければ上昇の重荷は先物トレーダーの肩にかかることになると強調した。世界最大のステーブルコインであるテザーは、暗号資産の現物およびデリバティブ市場で資金調達用の通貨として広く使用されている。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Farside
|原文:Bitcoin ETFs Snap Outflows Streak, Accumulate $15.4M