ビットコイン月足チャート
- ビットコインの3月の月足は現在、15%程度上昇しており7カ月連続の陽線がほぼ確定しています。前回の半減期があった2020年から2021年にかけて6カ月連続陽線がありましたが、7カ月連続陽線は前回より長く買い需要が続いていることを示しています。上昇は昨年9月の370万円台から始まっており、先月に2021年の高値を超えると買いがさらに加速しました。4月はついに半減期を迎えますが月足は、底堅いチャートとなっており、強気示唆が維持されています。
ビットコイン週足チャート
- 3月の月足もプラスとなる可能性があるビットコインですが、週足では3月中盤に短期的な利確売りも発生しています。3月の初週に7%強上昇すると2週目に過去最高値となる1092万円を記録しました。一方、1100万円を前に売りが発生し、2週目はほぼ横ばい推移となりました。3週目には923万円まで下落する場面もあり、高値から一時15%程度調整しました。相場は3週目の後半から底堅さが戻り、現在は再度高値を試す動きとなっています。週足でも非常に強い動きとなっていますが、やや強めの利確売りも入り出しており上値も重くなりつつあります。
対ドル無期限先物取引のファンディングレート（FR）
- デリバティブ市場における無期限先物取引のファンディングレート（FR）は、3月の初頭に比べると徐々に落ち着いてきています。投機的に積まれたロングポジションの比率が低下していることを示しています。3月11日にはFRが0.07%台まで上昇し、ここ2年間で最も高い水準を記録しました。この高いFRが一因となり高値圏では上値が重くなり、大きな下落方向への動きに繋がりました。短期のロングポジションの多くは3月3週目に相場が下落した際に解消され、FRは0.005%まで低下しました。一方、今週価格が再度過去最高値を試す展開となるとFRも上昇し始めています。FRは足元で一時0.018%まで回復しており、投機筋のロングポジションが構築され始めています。現在の相場には2月まで力強さはなく、高いFRは3月初頭と同様に高値圏では上値が重くなる要因となるでしょう。
オンチェーンでは利益を確定する動きも
- 上記は利益が出ているアドレスからどれだけの送金（ドルベース）があったかを示すオンチェーンデータです。こちらのデータでは前回の半減期相場の天井近辺で送金量が大きく上昇していることがわかります。今年、対ドルで6万ドルを超えた辺りから同指標は上昇しており、長期的な保有者の売りを目的とした送金が増加していることを示唆しています。同指標の上昇はここ数カ月間の相場では見られておらず、価格が前回の天井近辺を回復したことで足もとで利益を確定する動きが加速しています。現状のビットコイン相場はまだ底堅さを維持していますが、長期投資家の利確売りは上値が重くなりやすいことを示唆しています。
まとめ
- ビットコインの月足・週足チャートは引き続き強気のチャートとなっています。こちらのチャートからは売りトレードは推奨されていません。一方、短期的な上昇トレンドが7カ月間以上続くことは稀であることには留意しましょう。また高値圏での高いファンディングレートの動きは、上値が重くなるだけでなく、相場の下落時のボラティリティも上がるため警戒です。オンチェーンでは、長期投資家の利確売りも急増している状態です。全体的なチャートは非常に強い一方、上昇幅は縮小傾向にあり、短期的な買いポジションも立てづらい状況と言えます。これまでの上昇一辺倒の相場とは異なり、4月は難しい相場となるでしょう。
｜文：真田雅幸／bitbankマーケット・アナリスト
｜編集：CoinDesk JAPAN編集部
｜画像：Shutterstock
