- ダイヤモンド・スタンダード・ファンドに裏付けられたセキュリティ・トークンが、SEC認定のオアシス・プロ・マーケットに上場した。個人退職金制度の対象となり、年金基金や大学基金などの機関投資家が利用できる。
- ダイヤモンド・スタンダードのCEOは、「市場規模1.2兆ドルのダイヤモンドへの投資機会を、より便利で取引しやすいファンドを通じて提供する」と述べた。
暗号資産(仮想通貨)業界で注目が集まる伝統的金融商品のトークン化にダイヤモンドが加わり、投資家はブロックチェーン上でアクセスできるようになった。
3月27日発表の共同プレスリリースによると、暗号資産証券取引プラットフォーム、オアシス・プロ(Oasis Pro)は、ダイヤモンド・スタンダード(Diamond Standard)とホライゾン・キネティクス(Horizon Kinetics)がスポンサーを務めるダイヤモンド・スタンダード・ファンド(Diamond Standard Fund)への投資を表すトークンをアバランチ(Avalanche)のCチェーン上で発行する。
「歴史上初めて、ダイヤモンド・スタンダードとオアシス・プロは、市場規模約1.2兆ドル(約180兆円、1ドル150円換算)のダイヤモンドへの投資機会を、より便利で取引しやすいファンドを通じて提供する」とダイヤモンド・スタンダードの創設者兼CEOコーマック・キニー(Cormac Kinney)氏は述べた。
金、債権、債券などの伝統的な資産をブロックチェーン上のトークンとして表現する現実資産(RWA)のトークン化が過去1年で人気を博すなか、トークン化ダイヤモンドは誕生した。フランクリン・テンプルトン(Franklin Templeton)やHSBCといった世界的な伝統的金融大手は、トークン化関連のパイロット・プロジェクトに参加したり、商品を発表したりしている。最近では、ブラックロックが米国債とレポ取引に裏付けられたトークン化ファンドをイーサリアム上でローンチした。
ブルームバーグ(Bloomberg)のダイヤモンド・スタンダード・インデックス(DIAMINDX)をベンチマークとするダイヤモンド・スタンダード・ファンドは、年金基金や大学基金が利用できるような仕組みになっており、IRAとして知られる米国の個人退職金制度の対象にもなっている。
今回発表されたトークンは、対象資産に沿ったパーミッションド(許可制)トークンの発行、管理、移転を可能にするスマートコントラクトのオープンソース規格、ERC-3643に準拠している。
「ダイヤモンドをトークン化し、アバランチ上のファンドを通じてエクスポージャーを提供することは、これまで不透明で機関投資家にとってアクセスしにくかった資産クラスに、ブロックチェーンが透明性と効率性をもたらせることを示す素晴らしい例だ」と、アバランチを支えるエコシステム開発組織アバ・ラボ(Ava Labs)のジョン・ウー(John Wu)社長は述べた。
|翻訳・編集:行武 温
|画像:Diamonds (Edgar Soto/Unsplash)
|原文:Diamonds Arrive on a Blockchain With New Tokenized Fund on Avalanche Network