ビットコインは6万6000ドル付近で推移──米国債利回りの上昇が投資家の関心を引く
  • ビットコインは一時6万6000ドルを割り込み、コインデスク20指数は市場全体の弱さを示している。
  • 暗号資産先物レートと建玉は減少しており、2カ月間の上昇に終止符が打たれる可能性を示唆している。

ビットコイン(BTC)は4月3日のアジア取引時間中も損失を出し、一時6万6000ドルを割り込んだ。トレーダーが米国債利回りの復活とアメリカ連邦準備制度理事会(FRB)が利下げを今年後半まで延期する可能性を織り込んだためだ。

記事執筆時点では、イーサリアム(ETH)は3300ドル以上で取引され、コインデスク20指数(CD20)は2556ドルだった。

10年債利回りは2週間ぶりの高水準となる4.40%を記録した。いわゆるリスクフリーレートの上昇は、通常、リスク資産やゴールドのような利回りゼロの投資からの資金流出に拍車をかける。しかしゴールドは、ビットコインやウォール街のハイテク株指数であるナスダックが軟調に推移する中、底堅さを維持した。

ピタゴラス・インベストメンツ(Pythagoras Investments)のキャピタル・フォーメーション・ディレクターであるセミール・ガベルジッチ(Semir Gabeljic)氏は電子メールのインタビューで、「ビットコインは一時6万5000ドルまで下落した。これは主に金利に関する最近のマクロ見通しと米国債利回りの上昇によるものだ」と述べた。「金利が高くなる環境では通常、投資家のリスク志向が低下する」。

予測市場のポリマーケット(Polymarket)では、賭けの参加者は5月までの利下げの可能性を排除しており、6月に利下げが行われるかどうかについては意見が五分五分に分かれている。そして、利下げが秋までに起こることは確実視されている。

(Polymarket)

シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のFed Watchツールは、5月の会合後も金利が変わらない確率を97%としている。

Coinglassのデータによると、過去24時間に2億4500万ドル(約367億円、1ドル=150円換算)以上のロングポジションが清算され、そのうち6000万ドル(約90億円)がのBTCのポジションだった。

シンガポールを拠点とするPresto Labsのデリバティブ・トレーダー、ジュンヨン・ヘ(Jun-Young Heo)氏は「ほとんどの暗号資産の無期限先物調達金利は1bpsに戻り、世界の先物建玉は一夜にして10%減少し、レバレッジを利用したロングポジションの一部が決済されたことを示している」と付け加えた。

「最近のビットコインETFへの流入は停滞しており、BTCとETHの市場価格は20日移動平均を下回っているため、一部のトレンドフォロワーは昨日の下落を2カ月にわたる上昇相場の終焉とみなしただろう」と同氏は述べている。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Bitcoin Back Down to $66K as Rising Treasury Yields Catch Investor Interest