暗号資産デリバティブ、3月は過去最高の約62億ドルに──市場全体でのシェアは6カ月連続で低下
  • 3月のデリバティブ取引高は86.5%増の6兆1800億ドルとなり、過去最高を記録した。
  • CCDataによると、市場活動全体に占める暗号デリバティブのシェアは3月に67.8%に低下し、6カ月連続で減少した。

ロンドンを拠点とする暗号資産(仮想通貨)データプロバイダーCCDataによると、暗号資産のデリバティブ取引は3月にかつてない規模となったが、市場活動全体に占める割合は6カ月連続で減少した。

中央集権型取引所における暗号資産に関連する先物オプション取引高は86.5%増の6兆1800億ドル(約927兆円、1ドル=150円換算)と過去最高を記録し、全暗号資産の時価総額の3倍に相当した。

それでも、デリバティブの市場支配率は67.8%に低下し、2022年12月以来の低水準となっている。つまり、トレーダーは暗号資産を即時に受け渡しする現物市場に殺到したということだ。

3月の中央集権型取引所における暗号資産デリバティブ取引高は6兆1800億ドルに急増した。(CCData)

スポット取引高は108%増の2兆9400億ドル(約441兆円)に急増し、2021年5月以来の月間取引高となった。スポット取引とデリバティブ取引を合わせた取引高は92.9%増の9兆1200億ドル(約1368兆円)となり、過去最高を記録した。

「中央集権的な取引所におけるスポット取引活動の急増は、ビットコインが史上最高値を更新し、市場に個人投資家が戻ってくる初期の兆しが見えてきたことをめぐる興奮の高まりと一致する」とCCDataの月次レポートは述べている。

デリバティブはしばしば、レバレッジによって人工的な需要と供給を生み出し、市場にボラティリティを注入していると批判され、主要な市場の頂点でしばしば観察される投機的な活動の代用とみなされている。そのため、市場活動全体に占めるデリバティブの割合が低下したことは、価格上昇の継続を期待する強気派にとって朗報となるかもしれない。

CoinDeskのデータによると、時価総額トップの暗号通貨ビットコイン(BTC)は3月に16.6%上昇し、7万3000ドルを超える過去最高値を更新した。価格は第1四半期に68%以上上昇している。より広範な市場指標であるコインデスク20指数(CD20)は、年初の3カ月で50%以上急上昇した。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:CCData
|原文:Crypto Derivatives Lost Overall Market Share in March Despite Hitting Record High Trading Volume of $6.18T