- ETH/BTCレシオは週足チャートでデスクロスが目前だ。
- イーサリアムのアンダーパフォームは、リスク回避とアルトコインへの需要減少のシグナルかもしれない。
テクニカル分析では、アルトコイン(代替暗号資産)の強気派にいくつかの警告シグナルが点滅しており、イーサリアム/ビットコイン(ETH/BTC)比率はサポートレベルを下回り、不吉なデスクロスのパターンに陥る寸前だ。オプション市場は、投資家がこれにヒントを得ていることを示している。
デスクロスは、短期移動平均が長期移動平均を下回るときに発生し、モメンタムが長期的に弱気に転じる可能性を示す。
チャートプラットフォームのTradingViewによると、この比率の50週単純移動平均線(SMA)は200週SMAを下回ろうとしている。差し迫ったデスクロスは、ビットコイン(BTC)に対するイーサリアム(ETH)や他のアルトコインのリスク回避や長期的なパフォーマンス低下を示唆している。
2017年以降、暗号資産(仮想通貨)市場はビットコイン主導とアルトコイン主導の間で揺れ動いてきた。さらに重要なのは、アルトコインの主導権はETH/BTCレシオの上昇によって特徴づけられてきたことだ。つまり、トレーダーはETHがBTCをアウトパフォームしているときはより多くのリスクを取りたがるし、その逆もまた然りだ。
ETH/BTCレシオは今年10%近く下落し、0.048となった。
「ETH/BTCは0.05を割り込んだ後、重要なサポートレベルを試している」とシンガポールに拠点を置くQCPキャピタル(QCP Capital)は4月5日のマーケットノートで述べた。「ETHコールの持続的な大量の売りがあり、それが(ボラティリティを)押し下げ、価格にも下降圧力をかけている。これは再び、アルトコインとしてのETHにおいて、(強気の)FOMOが恐怖に変わるシグナルかもしれない」。
大手デリバティブ取引所のデリビット(Deribit)におけるビットコインとイーサリアムのオプションの現在の価格も、短期的にはイーサリアムのパフォーマンスが低下することを示唆している。
記事執筆時点では、7日後、1カ月後、2カ月後に期限が到来するイーサリアムのプットは、コールに対してそれぞれ5%、3%、0.3%のプレミアムで取引されている。プットオプションは、購入者に原資産を後日所定の価格で売却する権利(義務ではない)を与える。コールオプションは買う権利を与えるため、価格下落に対するプロテクションを提供するプットのプレミアムは弱気な見通しを示している。
ビットコインの場合、7日間のオプションを除き、その他の満期を通じてコールに偏りがあった。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:TradingView
|原文:Warning for Altcoin Bulls: The Ether-Bitcoin Ratio Is About to Flash Death Cross