- バーンスタインによると、ステーブルコインは国境を越えた決済に採用されつつあるという。
- ペイパルやVISAなどの決済会社による早期採用の兆しがあるとバーンスタインは報告書で述べている。
- ステーブルコインの供給は増加していると報告書は指摘している。
ステーブルコイン市場は成長しており、このような暗号資産(仮想通貨)は、決済会社、フィンテック企業、消費者プラットフォームを初期のユーザーとして、国境を越えた決済に採用されつつあると、投資会社のバーンスタイン(Bernstein)は4月9日の調査報告書で述べた。
バーンスタインは、ステーブルコインの供給量は現在1500億ドル(約22兆5000億円、1ドル=150円換算)で、テザー(USDT)とUSDコイン(USDC)がそれぞれ75%と22%のシェアで市場を支配していると指摘している。ステーブルコインは暗号資産の一種で、通常は米ドルに固定されているが、他の通貨や金などの資産も使われている。
アナリストのガウタム・チャッガニ(Gautam Chhugani)氏とマヒカ・サプラ(Mahika Sapra)氏は、「ブロックチェーン上で決済されるステーブルコインの価値は、暗号資産取引エコシステムや国境を越えた決済通貨としてデジタルドルが広く採用されていることを示している」と述べ、「2024年第1四半期の送金額を年間に換算すると6兆8000億ドル(約1020兆円)で、 これは 2022 年の最高額である約7兆ドル(約1050兆円)に相当する」と付け加えた。
報告書では、ペイパル(PayPal)やVISAといった決済会社や、シンガポールのグラブ(Grab)やラテンアメリカのメルカド・リブレ(Mercado Libre)といった消費者向けフィンテックプラットフォームが、ステーブルコインを採用する兆しがあると述べている。
ソラナ(Solana)はブロックチェーン決済の分野をリードしているが、スケーラビリティに問題があると報告書は述べている。「今のサイクルの大きな変化は、前サイクルのマーケットリーダーであるイーサリアム(Ethereum)に対し、ステーブルコインの送金額でソラナが圧倒的な市場シェア(43%)を占めていることだ」。
ソラナはVISA、ショッピファイ(Shopify)と試験運用を行っているが、このブロックチェーンがより主流の消費者決済や企業間決済に参入できるかどうかは不明であり、それにはスケーラビリティの大幅な飛躍が必要だと報告書は述べている。
「消費者向け決済のスケーラビリティ要件には、現在の15倍から20倍の成長が必要であり、汎用ブロックチェーンはまだそのキャズムを越えてはいない」と報告書は指摘している。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Sam Kessler/CoinDesk
|原文:Stablecoins Are Seeing Adoption as a Cross-Border Settlement Mechanism: Bernstein