メルカリのビットコイン取引サービス、利用者数が200万人突破──決済回数は1カ月で10万回

メルカリの子会社で、ブロックチェーンサービスの提供・開発を行うメルコインのビットコイン取引サービスの利用者数が約1年で200万人を突破した。メルコインが11日に発表した。

メルコインは2023年3月にビットコイン取引サービスを開始。2023年10月には提供開始7カ月で利用者数が100万人を突破したと発表した。200万人突破は、そこから半年あまりとなる。

リリースによると、2024年2月末の時点で日本国内の暗号資産取引口座数は約952万、この1年間で290万件増加しており、同社は業界全体の取引口座増加数の約63%を占める勢いという。

また2024年2月にはメルカリでの商品購入時にビットコインが決済に使える機能を提供開始。約1カ月で決済回数は10万回を突破したという。

メルカリ、ビットコイン決済が「世界で最も使われる場所」を目指す:メルコイン 中村氏
(2月、メルカリでのビットコイン決済開始を発表するメルコインCEOの中村奎太氏)

ビットコイン価格が日本円建てで1000万円を超えている今、「デジタルゴールド」、つまり価値の保存手段としての位置づけがますます強くなり、サトシ・ナカモトが意図したP2P決済手段としてのビットコインは可能性が小さくなっているとの見方が強い。

ただ一方、「これだけ価格が上がってくると、ちょっと使ってみようと考える人はいるのではないか」と暗号資産取引所バイナンスジャパン代表の千野剛司氏はCoinDesk JAPANのインタビューで述べている。メルカリでのビットコイン取引サービスは、まさにその象徴的な事例となる。

投資目的でまとまった金額のビットコインを購入する投資家層ではなく、メルカリでの売買でビットコインを手にしたユーザーが、価格上昇で思わぬ利益が出ていることを知り、それをメルカリでの決済に利用する──新しいビットコイン取引の姿が登場している。

|文:増田隆幸
|画像:リリースより