仮想通貨が全米最大級のショッピングモール「モール・オブ・アメリカ(Mall of America)」にやってくる。
仮想通貨を現実世界での買い物に、より簡単に使えるようにする決済スタートアップ「フレクサ(Flexa)」は、全米最大級のショッピングモールの新しいデモ店舗にアドバイザーとして参加する。
このデモ店舗は小売り体験を高めるための新たなブランドとテクノロジーを紹介することが目的、経営コンサルティング会社のマッキンゼー(McKinsey)が企画している。
「我々にとって重要なことは、仮想通貨はデジタル決済において最高の形ではないとしても、極めて合理的であると示すこと」とフレクサのCEO、タイラー・スポルディング(Tyler Spalding)氏はCoinDeskに語った。
「どのように機能するかという合理性を示すものになる」
モダン・リテール・コレクティブ(Modern Retail Collective)と名付けられたこのデモ店舗は、小売りテクノロジーを現実の条件下でテストする。
デモ店舗は2019年9月27日(現地時間)朝からスタート、目標は小売業者にどの新技術が真に価値をもたらすものかを理解してもらうことだ。マッキンゼーのプレスリリースによると、アメリカでは今年に入って約8000の実店舗が閉店しており、価値を生み出すことは切迫した課題となってる。
「このプロジェクトを通して、我々は小売業者が店舗の未来ビジョンを定義する手助けになる、最先端のデータと分析を生み出す」とマッキンゼーのプラヴィーン・アディ(Praveen Adhi)氏は声明で述べた。
ショッピングモールと仮想通貨
フレクサのスポルディング氏は、マッキンゼーは十分な規模の企業にアドバイスしているため、わずかなコスト削減でも大規模チェーンでは効果が出ると指摘した。
「消費者体験を向上させるソリューションを手にすることができ、即座にそうした目標を達成できる」とスポルディング氏は語った。
店舗では仮想通貨以外の各社のテクノロジーも紹介される。例えば、FaceCake(AR)、Chatter Research(会話型AI)、ComQi(デジタルサイネージ)などだ。スクエア(Square)も決済システムとして参加するが、同社のビットコイン技術は使われないようだ。
フレクサの決済アプリ「スペン(SPEDN)」はフレクサのFXCトークンで全トランザクションが保証されるため、仮想通貨での即時決済が可能。フレクサは、タイラーとキャメロンのウィンクルボス兄弟が立ち上げた仮想通貨取引所ジェミニ(Gemini)が支援している。
スポルディング氏は、フレクサはこの店舗で大きな足跡を残すだろうと述べた。店舗スタッフはスペンの使い方とスペンへの仮想通貨の導入方法を説明できるようトレーニングされている。
スポルディング氏は、仮想通貨での決済はメリットがあるため、仮想通貨での支払いに対して多少の値引きを行う小売業者もいると考えている。
「ごまかしはゼロ」とスポルディング氏は約束した。
「支払い拒否もない」
値引きするにせよしないにせよ、スペンはこの店舗のすべての小売業者にとって、支払い方法の選択肢の1つとなるとスポルディング氏は語った。
デモンストレーション終了後は、フレクサはマッキンゼーが公開する予定のデータに期待している。
「すべてをドキュメント化でき、マッキンゼーの真骨頂であるリサーチに参加できる」とスポルディング氏は語った。
「トランザクションコストも、タイミングも、本当に明確にできる」
翻訳:下和田 里咲
編集:増田隆幸
写真:Mall of America image via Shutterstock
原文:Mall of America to Showcase Winklevoss-Backed Crypto Payments