ビットコイン半減期が間近に迫っており、最新の予測によると日本時間4月20日の可能性が高い。だが、この事前に計画された、プログラムによるアップデートの正確な時刻は、驚くほど予測が難しい。ネット上のビットコイン半減期予想を見てみよう。すべてバラバラだ!
例えば、Watcher Guruは、半減期は20日7時と予測しているが、CoinMarketCapはその2時間後としている。「Bitcoin Block Reward Halving Countdown」は7日午後。
予測はおおむね一致しているが、半減期で取引しようとしている人には少し不満が残るかもしれない。
ビットコイン半減期は21万ブロックごと、およそ4年ごとに起こるよう設計されている。4回めの半減期は、ブロック高84万で自動的に実行される。
ビットコインの生みの親サトシ・ナカモトが設計したシステムに基づいて、ビットコインのマイナーはブロックチェーンに追加する次のブロックを10分ごとに見つける。つまり、次の半減期のタイミングを分単位で正確に把握することは簡単なはずだ。
予測を難しくしている要素
しかし、実際はもう少し複雑だ。
「ビットコイン半減期までの時間を計算するには、3つの重要な要素がある。現在のブロック高、次の半減期が起こるブロック、そして平均ブロックタイム(新しいブロック生成にかかる時間)だ」と、(現在、半減期は20日12時と予測している)ザ・ブロック・リサーチ(The Block Research)のデータ担当ディレクター、サイモン・クーサート(Simon Cousaert)氏は言う。
「2番目の要素であるターゲットブロックは定数なので、カウントダウンの精度は現在のブロック高と平均ブロックタイムに左右される」とクーサート(Simon Cousaert)氏。現在のブロック高をカウントするためのデータを取得することも簡単なはずだ。
違いが生じるのは、それぞれの半減期予測がブロックタイムをどのようにカウントしているかだろう。繰り返しになるが、1ブロックのマイニングにかかる時間は、設計上10分であるはずだ。
しかし、マイニングを行ってビットコインブロックチェーンの安全性を確保するために計算能力を提供するマイナーの数は一定ではないため、時間は変動する可能性がある。
クーサート氏は「平均ブロックタイムを正確に見積もることは難しい。単純な定数をとり、すべてのブロックがマイニングされるのに10分かかると仮定することはできる」と述べる。しかし、半減期予測は、過去100日、90日、30日(あるいは他の任意の期間)など、ある期間での平均ブロックタイムを採用している可能性が高い。
「これは必ずしも、正確な予測につながるわけではない。過去数日間の平均で今後数日間の平均を予測できるとは限らないからだ」(クーサート氏)
NiceHashのリード・マイニング・マネージャーであるマーコ・ターマン(Marko Tarman)氏もこの点に同意し、世界中の誰もが同じように、ビットコインに関する「静的な」データ、つまり半減期の起こるブロック高についてのデータにアクセスできると述べた。しかし、現在のブロック高とブロックタイムという2つの「動的な情報」も存在する。
「ブロックタイムはかなり変動する可能性があることに注意することが重要だ」とターマン氏。
「平均ブロックタイムが10分より短ければ、半減期の予測時刻は早くなる。逆に、平均ブロックタイムが10分を超えると、半減期は遅くなると予想される」
言い換えれば、事前に知られているだけでなく、人々が「価格に織り込み済み」かどうかを議論するほど積極的に予期されているイベントである半減期までのカウントダウンは、サイエンスではなく、アートだ。
「1年前にカウントダウンを観察しているときには、このような詳細さは重要ではないかもしれないが、イベントが近づくにつれて、正確さがより重要になってくる」とターマン氏は語った。
|翻訳・編集:山口晶子、増田隆幸
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|原文:Why Bitcoin Halving Calculators Are Out of Sync