- DOGE、SHIB、WIF、PEPEなどのミームコインは、過去7日間でビットコインよりも大きな打撃を受けた。
- それでも、ミームコインの市場は今年初めよりも流動性が高まっているように見え、ミームコインが一過性のトレンドではないことを示している。
リーダーであるビットコイン(BTC)が上昇の勢いを失い、ミームコインの熱狂はやや収まったかもしれない。それでも、トップクラスのミームコインは今年初めよりも流動性を保っており、実用性に欠けると批判されることの多い、本来は不真面目な暗号資産(仮想通貨)が今後も存在し続けることを示している。
CoinDeskのデータによると、ドージコイン(DOGE)、柴犬コイン(SHIB)、ドッグウィフハット(WIF)、ぺぺコイン(PEPE)、フロキ(FLOKI)、ボンク(BONK)のような主要なミームコインは過去1週間で19%から27%値下がりし、ビットコインよりも大きな損失を記録した。時価総額でトップのビットコインも、中東における地政学的緊張の高まりが、リスク資産からゴールドのような安全な隠れ家への資金流出に拍車をかけているため、6%下落した。
こうした価格の下落は取引高の減少につながった。機関投資家向け暗号資産取引所のファルコンX(FalconX)が追跡したデータによると、主要ミームコインの1日平均取引高は3月の58億ドル(約8700億円、1ドル=150円換算)から30億ドル(約4500億円)に減少した。しかし、1月の1日5億ドル(約750億円)は大幅に上回っている。
さらに重要なことは、1%マーケットデプス(市場深度:安定した価格で大口注文を約定することがどれだけ容易かを測る流動性の指標)が底堅く推移していることだ。
ファルコンXによると、時価総額で世界最大のミームコインであるDOGEの1%マーケットデプスは4月12日に1000万ドル(約15億円)となり、ここ1年で最高になった。一方、2番目に大きいミームトークンであるSHIBのマーケットデプスは400万ドル(約6億円)だった。
つまり、DOGEとSHIBの価格をそれぞれ1%動かすには、1000万ドルと400万ドル相当の売買注文が必要になるということだ。1%のマーケットデプスとは、買値と売値の平均から1%以内の買い注文と売り注文の集まり(厚み)を示す。
「これらのレベルは、アルトコインの流動性としては非常に立派だ。ちなみに、ソラナ(SOL)の1%マーケットデプスはおよそ2000万ドル(約30億円)だ。市場の深さと相まって、このようなボリュームの増加はそれほど一般的ではなく、伝統的に、最近のSOLのような持続力があると信じられている資産にのみ見られる」とファルコンXは週次のニュースレターで述べている。
「価格と出来高の傾向が短期的には市場が疲弊していることを示しているとしても、市場の厚みはミームコインが一部の予想よりも持続力を持つ可能性があることを示している」とファルコンXは付け加えている。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Sticky Liquidity in DOGE and SHIB Suggests Meme Tokens Have Staying Power