- セクター別に比較すると、ミームコインとAI関連トークンは過去24時間に大幅な上昇を見せ、ビットコインなどの主要トークンのパフォーマンスを上回った。
- ビットコインなどの主要トークンは週末の下落から回復し始めている。香港でビットコインとイーサリアムの現物ETFが承認されたとの報道に支えられ、ビットコインは15日欧州時間午前には6万6600ドル付近で取引されている。
- 市場全体の下落は、ビットコインの半減期を前にした利益確定売りやマクロ経済の変動によって引き起こされた。20億ドルを超える先物ポジションが清算され、それに伴って建玉が減少した。
ビットコイン(BTC)などの主要トークンが週末の下落から反発し始める中、ミームコインと人工知能(AI)関連トークンが過去24時間の上昇を主導した。
ビットコインは、香港でビットコインとイーサリアム(ETH)のETF(上場投資信託)を提供することが承認されたとの報道に支えられて15日欧州時間午前に3.3%上昇し、約6万6600ドル(約1023万円、1ドル155円)で取引されている。
ミームコインとAIトークンが上昇
CoinGeckoのカテゴリ別のデータによると、ソラナネットワークのミームコイン、犬をテーマにしたミームコイン、ベースネットワークのミームコインは平均15%以上、AIトークンは17%以上急騰した。この急騰には明確な材料があったわけではない。
イーサリアム、ソラナ(SOL)、アバランチ(AVAX)などのレイヤー1ブロックチェーンのトークンの平均上昇率は5.5%で、最もパフォーマンスの悪かったカテゴリーの1つだ。取引高上位の暗号資産のパフォーマンスを示すCoinDesk 20 Index(CD20)は、6%近く上昇した。
オンチェーン分析ツールのLookonchainはX(旧Twitter)で、クジラ(トークンの価格を変動させるほどの影響力を持つ大口トレーダーの俗称)が、ミームコインのキャット・イン・ア・ドッグス・ワールド(MEW)とスラーフ(SLERF)を数百万ドル相当購入したと指摘した。この2つの価格は過去24時間で80%近く上昇した。
先物で20億ドルの清算
今週に予定される半減期を前にした利益確定やマクロ経済の変動が12日金曜日後半から市場の重しとなり、ビットコインは先週の高値約7万500ドルから6万2800ドルまで下落した。これが市場全体の下落を引き起こし、主要暗号資産は18%も下落した。
その結果、週末に20億ドル(約3100億円)の先物ポジションが清算され、3月以来で最大となった。分析ツールCoinalyzeのデータによると、これらのポジションのうち15億ドル以上が価格上昇に賭けたロングポジションだった。
Coinalyzeの代表はXでCoinDeskに対し、レバレッジの清算により建玉が12日金曜日以来で130億ドル(約2兆150億円)減少したと述べた。
価格下落は予想されていた
一部のトレーダーは、マイナーに提供される報酬が半分になる4月20日の待望の半減期を前に価格が下落することは予想されていたと述べた。
デジタル資産投資会社フィネキア・インターナショナル(Fineqia International)の調査アナリスト、マッテオ・グレコ(Matteo Greco)氏は電子メールでCoinDeskに対し、「これまでの半減期イベントでは、歴史的に9~12カ月の上昇トレンドが後に続いていたが、イベントの前後で短期的な『ニュースで売る』反応を引き起こすことが多かった」と述べた。
グレコ氏はアメリカのビットコインETFに触れ、「この短期的な弱気センチメントは、今週のビットコイン現物ETFからの8500万ドル(約131億7500万円)の純流出にも反映されており、2023年第4四半期と2024年第1四半期の両方の力強い上昇トレンドを受けた利益確定売りと投資家の警戒が増加していることを示している」と指摘した。
|翻訳・編集:林理南
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|原文:Meme-Coin, AI Tokens Lead Gains After Bitcoin Drop Causes $2B in Weekend Liquidations