ビットコインは6万ドル、イーサリアムは3000ドルを割る──ストラテジスト「調整はまだ終わっていない」
  • 17日に暗号資産市場全体が下落する中、ビットコインは3月初旬以来初めて5万9900ドルまで下落した。
  • 主要な現物取引所のオーダーブックのデータによると、6万ドルを下回る水準に需要があり、下落に歯止めがかかる可能性がある。
  • LMAXのクルーガー氏は、ビットコインの注目すべき重要なサポートレベルは5万9000ドルだと指摘した。

ビットコイン(BTC)は13日土曜日のパニック的な下落からの反発が帳消しとなり、17日のアメリカ取引時間午前に6万ドルを下回った。

ビットコインはこの日6万4000ドル(約992万円、1ドル155円換算)を超えるまで回復していたが、5万9900ドルまで下落。過去24時間では3%以上下落しており、3月初旬以来の安値となった。本記事執筆時点では6万200ドルで取引されている。

イーサリアム(ETH)は同期間に2.5%下落し、3000ドル(約46万5000円)を下回った。

最も流動性の高い取引ペアである暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)のビットコイン/テザー(BTC/USDT)の現物市場のオーダーブックでは、買い注文が6万ドル未満に集まっており、売り注文を上回っている。これは、その6万ドル未満に強い需要があり、少なくとも短期的にはさらなる価格下落に歯止めがかかる可能性があることを示している。

バイナンスを除く主要現物取引所でのビットコインの買い注文(左)と売り注文(右)(Bitcoinity)

この日の下落は、暗号資産市場が数カ月にわたって上昇して先月ピークに達した後、冷却段階に入っていることを裏付けた。ビットコインは最近記録した史上最高値から15%以上下落し、一部のアルトコインは最近の高値から40%~50%下落したが、これはこれまでの暗号資産強気市場で発生した下落と比べて異常ではないことがグラスノード(Glassnode)のデータで示された。

LMAX Groupの市場ストラテジスト、ジョエル・クルーガー(Joel Kruger)氏は17日のマーケットアップデートで、ビットコイン投資家の行動は、大口投資家が現在の価格での押し目買いをまだ始めていないため、市場の弱さがしばらく続く可能性を示唆していると述べた。

クルーガー氏は、「最新のブロックチェーンデータは、ビットコインの大規模保有者が現在の急落に際してエクスポージャーの拡大を控えていることを示しており、これはビットコインが回復に向かう準備が整う前に、まだもう少し弱気または値固めが見られる可能性があることを示唆している」と述べた。

同氏は、ビットコインにとって注目すべき重要なテクニカル水準は5万9000ドルで、これは価格が3月までに2回反発した重要なサポートゾーンにあたると指摘。「ビットコインがこの水準以上を維持できれば、史上最高値の更新と10万ドルに向けた次の上昇に真っ向から焦点が当たり続けるだろう」とする一方で、「下落圧力がさらに強まって5万9000ドルを下回ると、短期的な強気見通しが後ろ倒しされ、4万5000~5万ドルの領域へのより深刻な調整への扉が開かれることになる」とコメントした。

|翻訳・編集:林理南
|画像:CoinDesk
|原文:Bitcoin Tumbles Below $60K, Ether Under $3K; Correction Not Over, Says Strategist