ビットコインマイナー、手数料収入が継続する可能性も:バーンスタイン
  • マイナーの総収益は、半減前の約3倍に達していると報告書は指摘している。
  • ネットワーク手数料の急増は、ビットコインに対する開発者の関心の高さと、マイナーの手数料収入の可能性を示しているとバーンスタインは述べた。
  • 同社は、マイナーの収益の15%がネットワーク取引手数料になると予想している。

ビットコイン(BTC)の報酬半減以来、マイナーは1ブロックあたり平均約19BTCを獲得しており、これはネットワーク手数料の急騰により収益が3倍になったためで、標準的なブロック報酬を上回っていると投資会社のバーンスタイン(Bernstein)が4月22日の調査報告書で述べた。

4年に一度の半減期は、ビットコインの供給量の伸び率を鈍らせるもので、日本時間20日午前に発生した。

アナリストのゴータム・チュガニ(Gautam Chhugani)氏とマヒカ・サプラ(Mahika Sapra)氏は、「これは、個人トレーダーによる新しいトークン(主にミームトークン)を鋳造する投機的な活動によって引き起こされる」と書いている。

ルーンズ(Runes)プロトコルは、人々がチェーン上でトークンをエッチングし、鋳造することを可能にする。週末にこのプロトコルが開始されたことで、ビットコインのブロックチェーンのネットワーク手数料が急上昇した。

報告書によると、マイナーの総収入は現在、半減前の約3倍で、以前の7ビットコインに対し、約22ビットコインとなっている。バーンスタインは、1日の収益が1億ドル(約150億円、1ドル=150円換算)を超え、そのうち約8000万ドル(約120億円)以上が取引手数料によるもので、これは明らかに異常だと指摘した。

「投資家はこれらの手数料が将来も続くと推定すべきではないが、ビットコインブロックチェーンに対する開発者の関心の高さと、マイナーにとっての手数料収入の可能性を示している」と報告書は述べている。

バーンスタインは、これまでのところルーンズトークンは投機的なミームトークンであり、そのような投機的な活動は短命に終わる可能性が高いと指摘している。

それでもなお、アルトトークン市場はビットコインネットワークではほとんど未開発であり、イーサリアムネットワーク上の分散型トークンやその他のユーティリティトークンの市場規模は2000億ドル(約30兆円)を超えていると報告書は指摘している。

「我々は、持続可能なベースで、マイナーの収益の15%がネットワーク取引手数料になると予想している」と報告書は述べ、ブロックチェーン上の「投機的熱狂」とみなされる状態は6~18カ月続くかもしれず、マイナーは棚ぼた的な利益を享受し続ける可能性があると付け加えた。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Bitcoin Miners Have Raked in Abnormal Transaction Fees Since Halving: Bernstein