米プロバスケットボール選手のスペンサー・ディンウィディー(Spencer Dinwiddie)氏は、自身の契約金の一部を担保にセキュリティトークンークンオファリング(STO)を行う計画を発表した(前回記事を参照)。
しかし、2019年9月27日(現地時間)に全米バスケットボール協会(NBA)が、この計画は同協会の団体交渉協約(CBA)に反すると異を唱えたと、ニューヨークタイムズ紙が報じている。
「協約では、『選手はすべて、ユニホームを着用するチームの選手契約に基づき、チームから報酬を受ける権利をいかなる第三者にも供与または譲渡してはならない』と規定しており、ディンウィディー選手が説明したような案件は禁止されている」と同協会は述べた。
ディンウィディー選手はこれに反対しているようで「今回の話は、そもそも譲渡には当てはまらないのだが(笑) FUD(恐怖、不安、疑念)」とツイッターで反応している。
NBAがニューヨークタイムズに意見を伝える前にディンウィディー選手と話しているかどうかは不明である。しかし、ブルックリン・ネッツ(Brooklyn Nets)のガードである同選手は、自身による公式発表の前に同協会に対して意図を話していたことを示し、「簡単に言えば、私は譲渡するわけではなくて、その点は明らかに伝えていたはずだ」と述べた。
「今夜のニュースは残念だ。なぜなら、NBAがやったことと言えば、私は規則を破っていないということを何度も話して説明してきたにもかかわらず、私が規則を破っているという前提の下で、これまで実現しなかった資産クラスの誕生に「#FUD」(恐怖、不安、疑念)を引き起こしたからだ」と同選手は書いている。
ディンウィディー選手の広報担当者にコメントを求めたが、回答は得られていない。NBAの広報担当者からはCoinDeskに対し、ニューヨークタイムズのものと同じ声明が送付された。
ディンウィディー選手の計画は大衆を味方につけているようだ。9月27日、これまでブロックチェーンを称賛し、連邦政府の仮想通貨規制の枠組みを提案した、大統領選挙の候補者でもあるアンドリュー・ヤン(Andrew Yang)氏は、この計画は「天才」だと思うと書いている。同氏は「NBAがそれを否認したことに失望した」と付け加えた。
ディンウィディー選手はまた、9月27日(現地時間)に、トロン財団(Tron Foundation)及びそのCEOジャスティン・サン(Justin Sun)氏と組んで、2019/2020シーズンのゲームで着用したシューズを販売することで8.2ビットコイン(BTC)を慈善団体に寄付することを明らかにした。
彼の契約プランに関してNBAとの間で何か問題があったとしても寄付はすると、彼はファンに再び保証し、次のように書いている。
「また、心配しているといけないので念のため言うと、私のシューズで8.2BTCを慈善団体に寄付するつもりですからね(笑)」
翻訳:新井朝子
編集:T.Minamoto
写真:Shutterstock
原文:NBA Says Basketball Player Can’t Tokenize His Contract After All