香港で暗号資産ETF承認、「手数料戦争が起こる可能性」とアナリスト
  • 香港の規制当局は、ハーベスト・グローバル・インベストメンツ、チャイナ・アセット・マネジメント、そしてボセラ・アセット・マネジメントとハッシュキー・キャピタルの共同運用のETFを承認した。
  • ブルームバーグの報道によると、これらのETFは4月30日に取引が開始される可能性があるという。
  • ETFの管理手数料は以前考えられていたよりも低いと、あるアナリストは指摘した。

香港の規制当局は、暗号資産関連の現物ETF(上場投資信託)を正式に承認した。香港にとって初の試みであり、アジアの主要な暗号資産ハブとしてのポジションを確立し、この分野の成長を促進する動きと言える。

香港の証券先物委員会(SFC)は23日、ハーベスト・グローバル・インベストメンツ(Harvest Global Investments)、チャイナ・アセット・マネジメント(China Asset Management:ChainAMC)、さらにボセラ・アセット・マネジメント(China Asset Management)とハッシュキー・キャピタル(HashKey Capital)が共同で取り組むビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)のETFを承認した。

ETFは、4月30日から取引が開始される可能性があると、ブルームバーグ・インテリジェンスのアナリスト、エリック・バルチュナス(Eric Balchunas)氏は24日に語り、手数料は以前考えられていた水準よりも低いと続けた。

ブルームバーグ・インテリジェンスのシニアETFアナリスト、ジェームス・セイファート(James Seyffart)氏は、ハーベストが最初の6カ月間、手数料を無料にすることで、発行会社間で「手数料戦争が起こる可能性がある」と指摘した。無料期間終了後の手数料は0.3%で、ボセラ-ハッシュキーの0.6%、ChinaAMCの0.99%を下回る。

1月、アメリカで初めて現物ベースのビットコインETFが承認され、ビットコイン価格が大きく上昇、史上最高値を更新したことは記憶に新しい。世界最大の資産運用会社ブラックロックが提供するETFは、120億ドルを超える資金を集めた。

香港での暗号資産ETFの承認は、暗号資産を従来の投資家にとってより利用しやすくするための重要な一歩だが、その影響はアメリカでのETF承認に並ぶものではないだろうと、複数のアナリストは以前、CoinDeskに語った。

香港の暗号資産ETFの発行会社は、当地域では主要プレーヤーだが、アメリカの発行会社に比べると規模は小さい。

例えば、チャイナ・アセット・マネジメントの昨年末の運用資産残高は2660億ドル、ハーベスト・グローバル・インベストメンツは2070億ドル。一方、アメリカのライバルは、数兆ドルにのぼるところもある。

|翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部
|画像:Allan Watt/Flickr
|原文:Spot Bitcoin, Ether ETFs Get Official Approval in Hong Kong; ‘Potential Fee War’ Unfolding, Says Analyst