- 円安が進行し、26日には1990年以来の水準となった。
- ビットコインは6万4000ドル前後で横ばい。
- レッカー・キャピタル(Lekker Capital)のクイン・トンプソン(Quinn Thompson)氏は、円安が進行すれば日銀の介入もあり得ると述べた。
円安が34年ぶりの水準まで進行し、伝統的市場の関係者たちが影響が及ぶ可能性に頭を悩ませるなか、暗号資産(仮想通貨)市場は26日、静かな動きとなった。
ビットコイン(BTC)は日中、6万4000ドル付近の狭いレンジ内で不安定な動きを続け、24時間で0.9%下落した。幅広い銘柄の動きを反映するコインデスク20指数(CD20)は、スソラナ(SOL)、ICP、ユニスワップ(UNI)が2~4%下落したことでわずかに下落した。
日本銀行が金利をほぼゼロに据え置き、円安に対する懸念をあまり示さなかったため、日本円(JPY)は日中、主要通貨としては大きな動きとなった1.3%下落となり、1990年以来の円安水準となった。一方、アメリカでは、堅調な経済成長と、高止まりしているインフレ率が、今年中に金融緩和が行われるのではないかとの期待を打ち消している。
「法定通貨のこれほどの規模とスピードの動きは通常ではないため、今後数週間続く場合は、早い段階で何らかの介入や調整があると予測している」とヘッジファンドのレッカー・キャピタルの創業者、クイン・トンプソン氏はCoinDeskに語った。
円安はまだ暗号資産市場に影響を与えていないが、日銀が介入すれば変わる可能性があるとアナリストで「Crypto Is Macro Now」レポートを発行するノエル・アチェソン(Noelle Acheson)氏は述べた。介入は、日銀が米ドル資産(米国債)を売って円を買うことを意味し、ドル安は理論的には暗号資産価格を後押しする可能性があると同氏は付け加えた。
また、米国の政策立案者が市場に流動性を注入する形で市場介入を行えば、暗号資産のようなリスク資産を後押しすることにもなるとレッカーのトンプソン氏は述べた。
アチェソン氏はさらに「通貨の混乱は円だけでは終わらない」と予想した。粘着性の強いインフレを受けて、米国債利回りが上昇したことでさまざまな通貨に負担がかかり、おそらく他の中央銀行も行動を起こさざるを得なくなるためだ。
「自国通貨を支えるために米国債が一斉に売られ、米国債利回りにさらなる上昇圧力が加わるとともに、多くの国でインフレ圧力が高まる可能性がある」「こうした通貨のボラティリティと脆弱性は、企業や政府による金やビットコインのようなヘッジ資産の保有を促進する可能性がある」とアチェソン氏は語った。
|翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部
|画像:CoinDesk
|原文:Bitcoin Chops Around $64K, With Japanese Yen’s Tumble Maybe Signaling ‘Currency Turmoil,’ Analyst Says