予想されていた通り、米連邦準備制度理事会(FRB)の連邦公開市場委員会(FOMC)は5月1日、フェデラルファンド金利の誘導目標を5.25~5.50%に据え置いた。
さらに、これもほぼ予想通り、FOMCはインフレ抑制に向けた進展が今年停滞していることを認め、インフレが「持続的に」2%に向かっているという確信が強まるまで金利を引き下げるのは適切ではないと表明した。
ビットコインに圧力
ビットコイン(BTC)価格は、このニュースが出てから数分間にわずかに上昇したが、依然として圧力を受けており、この日に4%以上下落して5万8000ドル(約899万円、1ドル155円換算)で推移している。
金利に加え、FOMCはバランスシート上の国債の縮小、いわゆる量的引き締めのペースを月600億ドル(約9兆3000億円)から250億ドルに引き下げると発表した。他の条件が同じであれば、この動きはリスク選好度を上げ、資産価格を押し上げる可能性が高いと経済学者のジョセフ・ブルスエラス(Joseph Brusuelas)氏は指摘している。
ここ数週間で利下げ期待は後退
2024年年初には、市場はFRBが長い利下げサイクルに入ることを予想していたが、ここ数週間でその期待は大幅に薄れてきた。経済が引き続き堅調で、インフレが4月までに実際に若干上昇したためだ。CME Fed Watchツールによると、市場は(この日のFRBの決定前に)今年利下げが1度も行われない可能性を25%近く織り込んでいた。この数値は1か月前にはわずか1%だった。
利下げ期待の変化は伝統的な市場に対して若干の重しとなり、ナスダックは約3週間前に2024年の高値をつけて以来約5%下落。S&P500は3月下旬に年初来高値をつけて以来で同程度下落している。また、ビットコイン価格の急落にも影響している可能性が高い。ビットコインは3月中旬に記録した7万3000ドル超の史上最高値から現在20%以上下落している。
FOMC発表直後の伝統的な市場では、株価はほぼ変わらず、ドルと債券利回りはわずかに低下している。金は0.5%上昇して1オンス2316ドルだが、4月中旬に記録した2400ドル超の史上最高値からは約4%下落している。
|翻訳・編集:林理南
|画像:上院銀行委員会より
|原文:Federal Reserve Holds Policy Steady, Says Progress on Inflation Has Stalled