- ビットコインは成熟するにつれてボラティリティが低下しているとフィデリティの報告書は述べている。
- フィデリティは、ビットコインのボラティリティは年間ベースで過去最低を更新したと指摘した。
- フィデリティによると、ビットコインは過去2年間、ネットフリックス株よりもボラティリティが低かったという。
ビットコイン(BTC)は長い間、ボラティリティの高い資産と見なされてきたが、そのボラティリティは下がりつつあり、この暗号資産(仮想通貨)が成熟するにつれて下がり続けるだろうと、フィデリティ・デジタル・アセッツ(Fidelity Digital Assets)は5月1日の調査報告書で述べた。
アナリストのザック・ウェインライト(Zack Wainwright)氏は、「新しい資産は通常、価格発見、成熟を経て、ボラティリティが低下するまでに時間がかかる」とし、1970年代にアメリカが金本位制を放棄した際、金でさえ高いボラティリティを示したと指摘した。
ビットコインは誕生から15年ですでに成熟の兆しを見せており、ボラティリティは年々過去最低を更新しているという。
ウェインライト氏は、「ビットコインのボラティリティは明らかに低下傾向にあり、ビットコインが長期的に成熟し続けるにつれて、この傾向は続くと思われる」と書いている。
ビットコインは現在、過去90日間のボラティリティでS&P500構成銘柄の33銘柄よりもボラティリティが低く、2023年10月時点では92銘柄よりも低かったとフィデリティは述べている。
過去2年間、ビットコインはネットフリックス(Netflix)株よりもボラティリティが低く、高業績銘柄のグループである「マグニフィセント・セブン」と比較した場合、「ビットコインのボラティリティは突出しているわけではない」と報告書は指摘している。
時価総額が小さいすべての新興資産クラスがそうであるように、暗号資産は新たな資本流入によりボラティリティが高くなる可能性が高いと報告書は述べている。「しかし、資産クラスが成熟し、時価総額が大きくなるにつれて、資本流入は大きな資本基盤に流入するため、影響は小さくなると予想される」。
1月にアメリカのビットコインスポット上場投資信託(ETF)が承認され、それに伴う資金流入はビットコインのボラティリティを弱めると予測されていた。それでも、ビットコインは先月16%以上下落した。
「新たな資金流入は、市場や限定的な買い手や売り手をそれほど動かさないだろう」と報告書は付け加えた。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Bitcoin’s Volatility Is Falling and This Will Continue as It Matures: Fidelity