- カナダ金融取引報告分析センターは、バイナンスが金融規制の「行政違反」を2件犯したと述べた。
- バイナンスは6か月前にアメリカ当局に43億ドルを支払うことに同意していた。
カナダの規制当局は7日、暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)が同国の金融規制の「行政違反」を2件犯したとして、600万カナダドル(430万ドル、1ドル155円換算で約6億6650万円)の罰金を科した。
カナダの金融情報機関であり金融規制当局のトップであるカナダ金融取引報告分析センター(FINTRAC)は9日のプレスリリースで、バイナンスは「複数の機会」があったにもかかわらず、外国資金サービス事業として登録しなかったと述べた。
FINTRACはまた、2021年6月1日から2023年7月19日までの間に、バイナンスが1万ドルを超える暗号資産取引5902件とそれに付随する本人確認(KYC)情報を規制当局に報告しなかったと述べた。当局はブロックチェーンエクスプローラーツールを使用して違反を発見した。
バイナンスは6か月前に、アメリカのマネーロンダリング防止法に違反したとして規制当局から告発されていた件で43億ドル(約6665億円)の罰金を支払うことに同意したばかりだ。また、バイナンスの元CEOで共同創設者の「CZ」ことチャンポン・ジャオ(Changpeng Zhao)氏は1週間前に、バイナンスで適切なKYC/マネーロンダリング防止プログラムを策定しなかったとしてアメリカで懲役4か月の刑を宣告されていた。
バイナンスはナイジェリアの金融規制当局とも争っており、同国の通貨ナイラを受け取ったとして非難されて、マネーロンダリングと脱税の罪で起訴されている。バイナンスのアメリカ人幹部で、財務コンプライアンス責任者であるティグラン・ガンバリャン(Tigran Gambaryan)氏も2月に拘束され、同じ罪状で起訴された。
今週これ以前に、バイナンスのリチャード・テン(Richard Teng)CEOはナイジェリア政府にガンバリャン氏の釈放を求め、同氏が逮捕される前の1月に「身元不明の人物」が容疑を晴らすために「多額の暗号資産での支払い」を要求してきていたとブログに投稿した。ニューヨーク・タイムズ(New York Times)紙によると、要求された賄賂は1億5000万ドル(約232億5000万円)だったという。
|翻訳・編集:林理南
|画像:Danny Nelson/CoinDesk
|原文:Binance Fined $4.3M by Canadian Financial Regulator for ‘Administrative Violations’