5月10日朝の米国市場でビットコイン(BTC)の価格は急落し、6万3500ドルに達していた上昇基調を反転させた。
急落の主な要因は、米国の経済指標が期待外れだったことと、ダラス連銀のロリー・ローガン(Lori Logan)総裁のタカ派発言にある。5月のミシガン大学消費者信頼感指数は前月の77.2から67.4に低下し、専門家が予想する76.0を大きく下回った。さらに悪材料だったのは、1年先の期待インフレ率が前回の3.2%から3.5%に上昇したこと。予想は3.2%だった。
米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル(Jerome Powell)議長がスタグフレーションの懸念を一蹴し、「スタッグ」も「インフレ」も見ていないと発言したのはわずか1週間前のことだ。
ダラス連銀のローガン総裁は10日午前、現在のFRBの金融引き締め政策が十分かどうかについては「不確実性」があるとし、「インフレに対する重要な上昇リスク」を指摘した。
この報道により米ドルと米国債利回りは緩やかに上昇したものの、株式市場への影響は見られなかった。一方、ビットコインは急落し、一時は当日の高値から6万700ドルに4%以上下落した。本記事執筆時点では6万1000ドルにまで戻し、24時間で0.6%の下落となっている。同期間のCoinDesk 20 Indexは0.15%上昇した。
|翻訳・編集:Shun Ide
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|原文:Bitcoin’s Modest Rally Cut Short, Price Tumbles Back Below $61K