独銀行、ビットコインでの支払いソリューションを開発

ブロックチェーン企業ニミック(Nimiq)、トークンペイ(TokenPay)、ライトコイン財団(Litecoin Foundation)が株主であるドイツの銀行は、2020年から、仮想通貨での支払いを処理できるようにする計画をしている。

WEGバンクAGのCEO、マティアス・フォン・ハウフ(Matthias von Hauff)氏はCoinDeskに対して、現在プログラムでは、サンドボックステストグループに参加する小売業者の申請を受け付けており、2020年初頭には一般にも開かれると述べた。

「弊行のお客様である必要はありません」と同氏は述べ、次のように続けた。「我々は、小売業者が仮想通貨で支払いを受けた時に、希望すれば銀行口座には法定通貨が振り込まれるようにするために、裏方で規制上の枠組みを提供するだけです」

プログラムのパートナー、サラマンテックス(Salamantex)がすでにそのような店舗販売時点情報管理デバイスをオーストリアで試験しているため、小売業者が仮想通貨での支払いを自社のウォレットに送ったり、銀行口座へ直接法定通貨で出金することを可能にする、とフォン・ハウフ氏は語った。このプログラムは、WEGバンクAGの新しいフィンテックブランド、TEN31によって管理される。

フォン・ハウス氏はさらに、このプラグラムの開始時点ではビットコイン、ライトコイン、その他いくつかの未公表の暗号資産を扱う、と語った。WEGバンクAGは先週、ツイッターでのコンテストに参加した者に、ニミック(NIM)とトークンペイ(TPAY)の提供した。

2020年以降のより広範な計画について、フォン・ハウフ氏は次のように語った。

「我々は、店舗販売時点情報管理ターミナルだけにとどまるつもりはありません。オンラインレジやATMにも取り組みますし、現在は(仮想通貨)取引所を銀行に統合するオプションも検討しています」

将来的にどの取引所と、どのようにして統合が可能かははっきりしていない。出資者のニミック財団(Nimiq Foundation)は、マルタを拠点とした分散型取引所(DEX)スタートアップのアゴラ・トレード(Agora Trade)と共同でオアシス(OASIS)イニシアチブと呼ばれるそのような技術に取り組んでいるが、そのプロジェクトはWEGバンクAG自体には関係ないと、フォン・ハウス氏は述べた。

「オアシスで思い描いているのは、ブロックチェーンの世界と、従来型の銀行および銀行口座の世界にノンカストディアルなつながりを生み出すことができるというものです」と、ニミックの共同創業者エリオン・チン(Elion Chin)氏はCoinDeskに語った。

他の有望なDEXとしては、トークンペイもDEXスタートアップeFINの株式を所有している。

「クロスチェーンのノンカストディアルDEXであるeFINを統合するために、WEGバンクと連携することを楽しみにしています」と、トークンペイのCEO、デレック・カポ(Derek Capo)氏はCoinDeskに語った。

ニミックとトークンペイは両社とも、新規コイン公開(ICO)で資金調達をした。2019年9月のニミックの透明性レポートによれば、プロジェクトのチームは、2017年のICOで集めた1280万ドル(約13億8,000万円)のうち約380万ドル(約4億1,000万円)をWEGバンクAGの9.9%の株式に費やした。TEN31プロジェクトに関わる残り2社の仮想通貨企業も、同じ割合の株式を保有しているが、ライトコイン財団はその株式をトークンペイから無償で譲り受けた。

現在関与している多くのブランドに関係なく、同銀行自体は、法律の下でサービスを円滑に進めるための規制を受けた組織となる。

「このソリューションは、仮想通貨を始めるのをずっとスムーズなものにしてくれます」とニミックのチン氏は述べ、次のように続けた。

「このようなタイプのソリューションが、仮想通貨を始めることをよりスムーズで、より速く、より簡単にしてくれ、私の両親でも安心して利用できるようなレベルになることが、私の願いです」

翻訳:山口晶子
編集:T.Minamoto
写真:WEG Bank AG CEO Matthias von Hauff (right) image via Twitter
原文:This Crypto-Savvy Bank Is Building Bandwidth for Bitcoin Retail Payments