アメリカのウィスコンシン州が今年第1四半期にブラックロック(BlackRock)のビットコイン現物ETF(上場投資信託)であるiシェアーズ・ビットコイン・トラスト(IBIT)9万4562口を購入したことが、米証券取引委員会(SEC)への提出書類で判明した。購入したETFの価値は1億ドル(約155億円、1ドル155円換算)近い。
このニュースを受けてビットコインは1%上昇し、現在6万1957ドル(約960万円)で取引されているが、アメリカ時間午前に発表された新たなインフレ関連の経済指標が予想よりも高かったため、過去24時間では1.7%下落している。
ウィスコンシン州は14日にSECに四半期分の13Fレポートを提出し、アメリカの州としては初めてビットコインの購入を開示した。ウィスコンシン州投資委員会(SWIB)は、約6400万ドル(約99億2000万円)相当のグレイスケール(Grayscale)のビットコイン・トラスト(GBTC)も購入した。
ブルームバーグ・インテリジェンス(Bloomberg Intelligence)のシニアETFアナリスト、エリック・バルチュナス(Eric Balchunas)氏は、「通常、(ETFの流動性が高まるまで)1年ほどの間、こうした大きな金融機関の保有が13Fで判明することはないが、これまで見てきたように、これは普通の立ち上げではない」とX(旧Twitter)に投稿。「機関は群れで行動する傾向があるため、良い兆候だ。さらに期待しよう」と述べた。
この投資委員会は1951年に設立されたもので、ウェブサイトによると現在1560億ドル(約24兆1800億円)以上の資産を管理している。ウィスコンシン退職制度(WRS)や州投資基金(SIF)、その他の州の信託ファンドの保有資産を管理している。
5月15日は、1億ドル以上の運用資産を持つ機関投資運用会社が四半期の保有資産について書類を提出する期限だ。市場は、今年ETFが発売されて以来、大手の伝統的金融(TradFi)のファンドがビットコインETFに投資しているかどうかを確認するために、こうした開示に注目している。
|翻訳・編集:林理南
|画像:Nick Youngson
|原文:State of Wisconsin Buys Nearly $100M Worth of BlackRock Spot Bitcoin ETF