CMEがビットコインのスポット取引の提供を計画:報道
  • 10x Researchの創設者、マーカス・ティーレン氏は、CMEがビットコインのスポット取引を開始した場合、暗号資産取引所はビジネスを失う可能性があると述べた。
  • CMEはビットコイン先物の建玉数ではトップクラスの取引所だ。

先物大手のシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)が、市場参加者の間で需要が高まっているビットコインのスポット取引を顧客に提供する計画だとフィナンシャル・タイムズ(FT)が5月16日に報じた

CMEはすでに建玉数でトップのビットコイン先物取引所だが、オフショアで規制されていないバイナンス(Binance)がスポット市場を支配している。

CMEは、規制された市場でのビットコインの取引を希望するトレーダーと協議を行ったと、FTは、その内容を直接知る人物の話を引用して報じている。

CMEのスポット取引は、スイスにあるEBSの通貨取引所を通じて行われる可能性がある。

CMEはこの記事についてのコメントを控えた。

スポット市場は、機関投資家の活動の代理と広く考えられているCMEの既存の標準先物契約とマイクロ先物契約を補完し、CMEが暗号資産(仮想通貨)市場でより支配的になるのに役立つだろう。CMEはすでに建玉数でトップのビットコイン先物取引所だが、オフショアで規制されていないバイナンスがスポット市場を支配している。アメリカで唯一上場している暗号資産取引所のコインベース(Coinbase)は、1日の取引高で第3位だ。

スポット市場が利用できるということは、トレーダーがスポット市場と先物市場を含む複雑なマルチレッグ戦略を規制された場所で設定できることを意味する。 キャリートレーダーは、他の取引所やスポットETFの現物のロングポジションに対してCME先物をショートすることで知られている。

「現在の強気相場は、規制された手段での取引を好む機関投資家によって動かされているため、世界的なデリバティブ大手のCMEにビットコインスポット市場が開設されれば、暗号資産取引所は一部のビジネスを失う可能性がある」と10x Researchの創設者、マーカス・ティーレン(Markus Thielen)氏は述べている。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:CME Looks to Take On Binance and Coinbase, Could Launch Spot Bitcoin Trading: Report