- アメリカ証券取引委員会(SEC)は、イーサリアムETFの上場の希望する取引所に対し、重要な期限である今週に入って、「19b-4」書類を更新するように要請した。
- SECはイーサリアムETFの申請を拒否すると予想されていたが、承認される保証はないものの、この動きは進展があることを示唆している。
イーサリアム(ETH)のスポット上場投資信託(ETF)の上場と売買を希望する取引所は、規制当局からこれらの商品に関する主要な提出書類を更新することを突然求められた。
取引所は、アメリカ証券取引委員会(SEC)から「19b-4」書類を前倒しで更新するように求められていると、事情に詳しい3人の関係者がCoinDeskに語った。
しかし、だからといってETFが認可されるとは限らない。SECは、ETFが取引開始される前に「S-1」申請を承認する必要がある。SECはS-1書類の承認に無期限の延期を行う可能性があると、この問題に詳しい人物は語った。
この件に詳しい関係者によると、SECと交渉中のある企業は、SECが足を引っ張っていると感じていた数週間前から一転、承認に向けて正しい方向に進んでいるのではないかと感じているという。
ブルームバーグ・インテリジェンス(Bloomberg Intelligence)のシニアETFアナリスト、エリック・バルチュナス(Eric Balchunas)氏とジェームス・セイファート(James Seyffart)氏は、SECが申請に対してより好意的なスタンスを取る可能性があるとの噂を聞き、イーサリアムスポットETFの承認確率を25%から75%に引き上げた。
彼らは後に声明を訂正し、オッズは19b-4に関連していると述べた。SECは5月23日にヴァンエク(VanEck)の申請に関する決定を下すと予想されている。
SECは、イーサリアム・ブロックチェーンのネイティブトークンであるETHが有価証券であるかどうかを調査しており、ネットワークがプルーフ・オブ・ワーク(PoW)のコンセンサス・メカニズムからプルーフ・オブ・ステーク(PoS)メカニズムに移行した後に正式な調査を開始した。
もしETHが証券であるとSECが判断した場合、ETFの申請を却下する理由になるかもしれない。
ETHが有価証券であるかどうかに関するSECの見解の試金石が、プロメテウム(Prometheum)で浮上した。「暗号資産証券」の保管と取引を許可するために2020年に導入された特別目的ブローカーである同社は5月20日、イーサリアムのカストディサービスの試験提供を開始したと発表した。同社は最終的には、デジタル資産、つまりアメリカではコモディティ(商品)ではなく有価証券として扱われる資産のカストディと取引サービスを開始する予定だ。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Nikhilesh De/CoinDesk
|原文:Ether ETFs Filing Process Sees Abrupt Progress, Though Approval Not Guaranteed: Sources