Facebook「リブラ」支援企業、二の足を踏む:報道

ソーシャルメディア大手のフェイスブック(Facebook)が主導するデジタル支払いプロジェクト「リブラ(Libra)」の主要な支援企業である、金融サービス大手のビザ(Visa)とマスターカード(Mastercard)は、プロジェクトへの参加について疑問を抱きはじめている。ウォール・ストリート・ジャーナルが2019年10月1日(現地時間)に報じた。

仮想通貨リブラの提案に向けられた世界中の規制当局からの非難に対して、両社と不特定のその他企業は、フェイスブックからの団結の求めにためらいを見せている。ウォール・ストリート・ジャーナルは、プロジェクトを公に後押ししたい企業はほとんどおらず、フェイスブックは単独でリブラの擁護を余儀なくされている、と伝えている。

リブラは6月の発表以来、世界の金融規制当局の格好の標的となってきた。欧州中央銀行のメンバーは、ユーロを不安定にする可能性があると発言した。中国の仮想通貨責任者は「止められない」可能性があると述べた。アメリカの議員らは、開発の全面中断を要求した。

リブラの運営・管理を目的に設立されたリブラ協会(Libra Association)のメンバーは、ワシントンDCで10月2日(現地時間)に会合を開く。会合の目的が何であるのか、はっきりとはしていなかった。リブラ憲章については、10月半ばにメンバー間の会合が予定されている。

ウォール・ストリート・ジャーナルはツイッターでも下記のように報じている。

情報筋によれば、ビザ、マスターカード、その他重要な金融界のパートナー企業が、フェイスブックのリブラへの関わりについて再検討している。

フェイスブックのブロックチェーン責任者で、リブラを共同で生み出したデビッド・マーカス(David Marcus)氏は、報道後ほとんど間髪を入れずにプロジェクトの擁護のためにツイッターで発言した。

この報道について言及しておこうと思う。1)リブラ協会のメンバーの公式の第一波が数週間後に正式に結成される(続く)

2)このように重大な変化は困難で、勇気を必要とする + 長い旅路となる。リブラが成功するためには、献身的なメンバーが必要だ。プロジェクトへの関与に注力しないつもりの具体的な企業について情報を持っていないが、ミッションへのコミットメントは何よりも重要だ。

「リブラがデジタル通貨の価値に関する議論を全面に打ち出したことで生じた当然の懸念に、我々は大いに落ち着きと自信を持って取り組んでいる」とマーカス氏は述べた。

翻訳:山口晶子
編集:T. Minamoto
写真:Libra image via Shutterstock
原文:Institutional Libra Backers are Getting Cold Feet