インドを拠点とするインスタダップ(InstaDApp)は10月1日(現地時間)、同社のスマートウォレットを構築するために240万ドル(約2億7,700万円)を調達したと発表した。同社の分散型金融(DeFi)ポータルを通じて、ユーザーが高度なトランザクションを容易に実行できるよう支援することを目的としている。
インターネット初期の時代には、最も価値のある資産のいくつかは、ポータル(1つの場所に情報を集約したウェブサイト)だった。現在、分散型ウェブ(decentralized web)の黎明期にあって、InstaDAppは、DeFiサービス間での資産の移動を容易にするような、複数のDeFiサービスへの窓口となることを望んでいる。
ラウンドをリードしたのはパンテラ・キャピタル(Pantera Capital)で、ナバル・ラビカント(Naval Ravikant)氏、バラジ・スリニバサン(Balaji Srinivasan)氏、コインベース・ベンチャーズ(Coinbase Ventures)、イデオ・コラボ(IDEO Colab)、ロボット・ベンチャーズ(Robot Ventures)、カイバーネットワーク(Kyber Network)のロイ・ルー(Loi Luu)氏等の著名な投資家が多数参加した。
InstaDAppの共同創設者ソウマイ・ジャイン(Sowmay Jain)氏は、CoinDeskへのメールで、同社の分散型アプリ(dapp)は、複数のプロトコルへのインターフェースだと言っている。
「InstaDAppでは、ユーザインターフェースと基盤プロトコル間の仲介として機能するレイヤーの構築に重点を置いた」とジャイン氏は述べた。「我々のスマートウォレットで構成されるこの層は、契約とリザーブ・プールの橋渡しを行い、多くの複雑さを取り除く」
現在InstaDappは、コンパウンド(Compound)、ユニスワップ(Uniswap)、メーカーダオ(MakerDAO)向けのインターフェースを提供している。DeFi Pulseによると、本記事執筆時点で、InstaDAppは分散型金融で4番目に大きな分散型アプリであり、3080万ドル(約33億円)相当の資産がスマート契約でロックされている(7月初旬のわずか420万ドル(約4億5千万円)から上昇)。
「InstaDAppはインド発の非常に才能のあるチームで、分散型金融をもっと利用しやすくしたいと考えている」と、コインベースおよびEarn.comの出身であるバラジ・スリニバサン(Balaji Srinivasan)氏は、公開前にCoinDeskに対してシェアしたブログ記事に記載していた。
中央銀行が金融機関による仮想通貨取引の促進を制限しているにもかかわらず、「実はインドはアメリカに次いで2番目にトラフィックが多い国だ」とソウマイ氏は記した。「動きは遅くなることはあるかもしれないが、止めることはできない」
注目すべきことに、InstaDAppのジャイン氏は21歳で、共同創設者のサミヤク・ジャイン(Samyak Jain)氏は19歳である。それにも関わらず、仮想通貨を自身の人生の軸にしている。CoinDeskに共有されたブログ記事には、学校を中退して「徹底した『DeFiネイティブ』になる」と書いている。
彼らはこう記している。
「我々が学校で学んできた伝統的な金融システムは、革新が遅く、非常に制約が多く、金融の巨人に厳しく統制され、地理的な制約に縛られていた。しかし分散型金融によって、我々は参加できるだけでなく、最初からグローバルにイノベーションを起こすことができることに気付いた」
翻訳:新井朝子
編集:T.Minamoto
写真:InstaDApp co-founders Sowmay Jain and Samyak Jain image via InstaDApp
原文:InstaDApp DeFi Site Raises $2.4 Million From Prominent Crypto Investors