ナイジェリア、バイナンスの裁判を6月に延期──同社幹部のガンバリャン氏が重病に
  • 5月23日、ナイジェリアの裁判所はバイナンスに対するマネーロンダリング裁判を6月20日まで延期した。
  • バイナンスのコンプライアンス責任者であるティグラン・ガンバリャン氏は重病で、治療が必要だった。

ナイジェリアの裁判所は5月23日、バイナンス(Binance)とその幹部2人に対するマネーロンダリング裁判を、幹部の1人が病気のため、6月20日に延期したと幹部の家族のスポークスマンがCoinDeskに語った。

アメリカ国籍でバイナンスの金融犯罪コンプライアンス責任者であるティグラン・ガンバリャン(Tigran Gambaryan)氏は、会社とともに脱税とマネーロンダリングの罪で起訴された。ロイターの報道によると、ガンバリャン氏は「非常に容態が悪く、総合的な治療が必要」であると、彼の弁護士はエメカ・ンウィテ(Emeka Nwite)裁判長に宛てた手紙の中で述べている。

23日にガンバリャン氏が倒れた後、医療施設は彼にマラリアの点滴治療を施したと、彼の弁護士は手紙の中で述べた。

先週、刑務所で40歳になったガンバリャン氏は、2月にナイジェリア当局に拘束された後、テロリストのボコ・ハラムのメンバーが収容されているクジェ刑務所に移された。彼はまた、イギリス系ケニア人のアフリカ地域マネージャー、ナディーム・アンジャルワラ(Nadeem Anjarwalla)氏とともに拘留され、アンジャルワラ氏は後に逃亡したが、彼もマネーロンダリングの疑いをかけられていた。

ガンバリャン氏の妻、ユキ・ガンバリャン(Yuki Gambaryan)氏は、CoinDeskが入手した声明の中で、「昨日、重病の兆候があったにもかかわらず、夫は出廷を求められ、その後倒れた」と述べている。「悪名高いクジェ刑務所の状況は、一言で言えば、壊滅的だ。私の夫は強く健康な人間だが、そんな強い人間でさえ屈服させられるような環境に直面している」。

ガンバリャン氏は22日にも脱税容疑の罪状認否で出廷する予定だったが、6月14日に延期されたと家族のスポークスマンは当時語っていた。ロイターによると、ガンバリャン氏はその場に現れなかった。

先週、彼は逃亡を図る可能性があるという理由で保釈が却下された。

ガンバリャンの妻は「ティグランに対する懲罰的処罰は、彼の雇用主を標的にしたもので、もう十分長く続いている。夫は病気だ。彼は助けが必要だ。 もう少し人間味を見せてほしい」と述べた。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:ナイジェリアで拘束されたバイナンスのコンプライアンス責任者、ティグラン・ガンバリャン氏(Shutterstock/Consensus)
|原文:Binance Money Laundering Trial in Nigeria Pushed to June 20 Due to Executive’s Illness