ザッカーバーグ氏の社内発言が流出「多くの人々の話題になることは、少しドラマチックになりがち」

フェイスブック(Facebook)の2019年7月の社内ミーティングの内容が流出、マーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)CEOが仮想通貨「リブラ(Libra)」について従業員が指摘した規制と顧客の身元確認についての懸念に答えていたことが明らかになった。

非公開のスタッフミーティング──アメリカでの公聴会でカリブラ(Calibra)の責任者デビッド・マーカス(David Marcus)氏が議員らの質問に答えた直後に開催──においてザッカーバーグ氏は、リブラが多くの人々からの批判を招いたことを認めた。しかし、同氏は水面下では比較的順調と付け加えた。

「多くの人々の話題になることは、少しドラマチックになりがちだと思う」

10月1日(現地時間)、社内ミーティングの記録を公表したザ・バージ(The Verge)によると、そうザッカーバーグ氏は述べた。

「しかし、より重要なことは、世界中の規制当局と親密に関わっていくことであり、それらはしばしば、より実質的でドラマチックなことは少ないと思う」

規制当局の最大の懸念がリブラの不正利用であることから、ザッカーバーグ氏はリブラ向けの顧客確認(KYC)認証について話を進め、リブラ向けウォレットアプリを開発している子会社カリブラと、リブラ協会(Libra Association)はユーザーの身元を証明するために取り組みを強化しなければならないと述べた。

「我々はすでに、特にフェイスブックでは、身元確認に大いに重点を置いており、このようなプロダクトを立ち上げるためには、さらなる取り組みが必要」

デビッド・マーカス氏の議会公聴会での発言に賛同して、ザッカーバーグ氏はマネーロンダリングとテロリズムは依然として対処すべき最優先課題と述べた。

「マネーロンダリングの防止、テロリストや外国政府が取り引きできないとしている人物の資金調達の防止について、対処すべき多くの重要な問題がある」

ケンブリッジ・アナリティカ(Cambrdige Analytica)のようなイメージ失墜の後のスタンスの変化を示しているのか、ザッカーバーグ氏は、フェイスブックは新しい取り組みにおいてはよりオープンなアプローチをとっていると述べた。

「社会の非常に重要な側面に触れる、こうしたビッグプロジェクトにおいて全般的に行おうとしていることは、より協議を重視したアプローチをとること」とザッカーバーグ氏は締めくくった。

翻訳:山口晶子
編集:増田隆幸
写真:Mark Zuckerberg image via Facebook
原文:Mark Zuckerberg Addresses Libra Regulation, KYC in Leaked Transcript