民主党のナンシー・ペロシ(Nancy Pelosi)米下院議長(カリフォルニア州)の議席を狙う有力候補者が、仮想通貨で100万ドル(約1億750万円)寄付金を募ることに加えて、連邦政府がブロックチェーン業界を規制する方法に変化をもたらそうとしている。
選挙運動ウェブサイトによると、2020年の議員選挙で当選を目指す民主党のアガサ・バセラール(Agatha Bacelar)氏は、カリフォルニア州12区でペロシ議長の議席を狙っている。ペロシ議長は1987年から議員を務め、現在は下院議長として2期目の任期を果たしている。
STEM(科学・技術・工学・数学)分野での経験をうたうバセラール氏は、「かつて明るかったアメリカでの仮想通貨の将来は暗くなってきて」おり、「連邦政府による介入がイノベーターたちを我々の選挙区やアメリカから追いやり、苦戦を強いられている」と主張している。
バセラール氏の選挙運動ウェブサイトには、仮想通貨関連の具体的な立法上の目標は掲載されていない。しかし、仮想通貨は「ユーザーを搾取しない代替策を構築し、アメリカ国民により役に立つイノベーションのエコシステムを作り上げるもの」だ、と述べている。
そのためバセラール氏は、アメリカにおける「確かな情報に基づき、実用的で、将来を見据えた」規制を推し進めるために議員の道を目指している。
選挙運動の声明においてバセラール氏は、ブロックチェーンは「信頼できる生きた民主主義のツールを構築するのに重要な鍵」であり、仮想通貨は「人権の推進と発展可能な将来のために必要不可欠」であると主張している。
バセラール候補はさらに、仮想通貨取引所コインベース(Coinbase)を通じて、仮想通貨で100万ドルの資金を調達しようとしている。現在のところ陣営は、ビットコイン、ビットコインキャッシュ、イーサリアム、ライトコイン、USDコインで5000ドル(約53万70000円)を調達した。
業界の発展に伴い、仮想通貨やブロックチェーン政策を政治運動に含めることは、ますます一般的になっている。民主党の大統領候補アンドリュー・ヤン(Andrew Yang)氏は、CoinDesk主催のイベント「Consensus 2019」において、綱領の1つに連邦規制改革を含めると語った。
翻訳:山口晶子
編集:T. Minamoto
写真:Agatha Bacelar image via her campaign
原文:Congressional Challenger to House Speaker Pelosi Is Fundraising in Crypto