マウント・ゴックス、90億ドル分のビットコインを単一アドレスに移動──BTC価格は急落
  • 債権者に資金を返済する計画の一環とみられる13件の取引で、約90億ドル相当の14万BTC以上がマウント・ゴックスのウォレットから不明なアドレスに送金された。
  • こうした動きに市場は弱気に反応し、ビットコインは月曜日に7万ドル超の高値をつけた後、1.4%下落して最安値は6万7680ドルとなった。

廃業した暗号資産(仮想通貨)取引所マウント・ゴックス(Mt.Gox)のウォレットが、5月28日のアジア時間早朝から約90億ドル(約1兆4000億円、1ドル=155円換算)相当の14万ビットコイン(BTC)以上を不明なアドレスに送金した。

かつて世界最大のビットコイン取引所だったマウント・ゴックスは2014年、ハッキングで数十万ビットコインを失ったことが明らかになり、その後閉鎖された。債権者はそれ以来、保有資産の返済を待っており、これはBTC市場に大きな売り圧力を加えるものと考えられている。

ウォレットのアクティビティによると、この動きは13回の取引で行われた。3ドル(約465円)相当のテスト取引が5月20日に行われ、28日初めには160ドル(約2万4800円)の小規模な取引が行われた。残りの取引は120万ドル(約1億8600万円)から22億ドル(約3410億円)相当だった。

Bitinfochartsのデータによると、マウント・ゴックスの全財産は現在、事実上単一のビットコインウォレットに移されている。

これはマウント・ゴックスのコールドウォレットから5年以上ぶりの資産の移動であり、2024年10月31日までに債権者に資産を返済する計画の一部である可能性が高い。

「すべてのコインは新しいアドレス “1JbezDVd9VsK9o1Ga9UqLydeuEvhKLAPs6 “に移された」とCryptoQuantのリサーチ責任者ジュリオ・モレノ(Julio Moreno)氏はXの投稿で述べた。

ギャラクシー・デジタル(Galaxy Digital)のリサーチ責任者、アレックス・ソーン(Alex Thorn)氏は、Xの投稿で、移動されたビットコインの大半は、公開市場で売却されるのではなく、債権者によって保有されると予想していると述べた。

それでも、市場参加者はこの動きを見て弱気に転じたようで、ビットコインはアジア取引時間開始以来1.4%下落し、27日の高値7万ドル超に対して、最安値は6万7680ドルだった。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:マウントゴックスの債権者コリン・バージェス氏、元マウントゴックスCEOのマーク・カルプレス氏と対決。(CoinDesk)
|原文:Mt.Gox Transfers $9B Bitcoin to Single Address as Part of Repayment Plans, Sparking BTC Price Plunge
※編集部より:本文を一部修正し、更新しました。