- 2021年のゲームストップ株の空売り騒動で知られるキース・ギル氏はレディットにオプションのポジションを投稿し、ミームトークンや関連銘柄の投機熱を煽った。
- ギル氏のソーシャルメディア活動は市場に大きな影響を与え、最近の投稿は、ネコをテーマにしたミームトークンやビデオゲーム小売業者の株式など、さまざまな資産の上昇につながった。
2021年のゲームストップ(GameStop)株のショートスクイーズで知られる有力な個人トレーダー、キース・ギル(Keith Gill)氏が3年ぶりに自身のレディット(Reddit)アカウントで投稿したことを受け、投機熱が高まり、一部のミームトークンやゲームストップの株価が6月3日に上昇した。
ギル氏は「DeepFu*kingValue」という別名で、アジア時間の早朝にレディットの「r/superstonks」にゲームストップのオプションポジションを投稿し、株式1億1600万ドル(約180億円、1ドル=155円換算)分、6月21日に満期を迎えるコールオプション6300万ドル(約98億円)分のベットを明らかにした。彼はすでにこのポジションで680万ドル(約10億5000万円)の純利益を得ている。
レディットへの投稿がソーシャルメディアプラットフォームで急速に広まるにつれ、関連銘柄やネコをテーマにしたミームトークンが急騰し始めた。CoinGeckoのデータによると、過去24時間でネコをテーマにしたTOSHI、MOG、KEYCAT、WENは最大37%上昇し、そのほとんどはギル氏の投稿後に発生した。また、DEXToolsのデータによると、GME(ソラナ上のミームトークンで、ゲームストップ社のティッカーシンボルを模したもの)は200%以上上昇した。
MarketWatchのデータによると、前場取引でゲームストップの株価は80%以上上昇し、映画館チェーンのAMCは36%上昇した。
ギル氏のソーシャルメディア活動が暗号資産(仮想通貨)市場や株式市場を動かすのは、ここ1カ月足らずで2回目だ。5月には、ギル氏が2021年後半以来初めて自身のXアカウント「@TheRoaringKitty」に投稿し、ソラナのミームトークン全体の値上がりを引き起こした。
ギル氏は2019年からレディットの株式市場フォーラムでゲームストップの財務状況を分析し、市場での影響力と権威を獲得した。この分析は、COVID-19のパンデミック中に注目を集め、これによって、バイラル現象が生まれ、2021年1月のゲームストップ株のショートスクイーズの主な要因として広く引用された。これは、複数の小規模トレーダーが結託して、同社株のオプションを購入し、レバレッジをかけたことによるものだ。
ギル氏の当初の5万3000ドル(約822万円)の投資額は、ピーク時には約5000万ドル(約77億5000万円)に達し、一攫千金を手にしたサクセスストーリーとして脚光を浴び、熱狂的なファンを生み出した。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:GameStop Stock, Meme Tokens Surge as User ‘DeepFu*kingValue’ Returns to Reddit