ビットコインオプショントレーダー、6月中の史上最高値更新を予測
  • オプション取引デスクでは、6月満期のBTCコールの買い注文が殺到した。
  • Matrixportは7万2000ドル付近に集中している約15億ドル分のショートを理由に、BTCは「さらに上昇する余地がある」と指摘した。

ビットコイン(BTC)オプショントレーダーは、今月中にBTCが過去最高値を更新すると予想していることが、市場データから明らかになった。

「当社のデスクでは、6月限月のコールオプションの買いが大幅に増え、強気なフォローアップが見られた。これは、オプション市場が今月中に7万4000ドルの史上最高値を大幅に更新するとの見方を示しているということだ」と、デジタル資産ヘッジファンドのQCPキャピタルは6月5日のマーケットアップデートで述べている。

オプションとは、契約満了日または満了日前に、あらかじめ定められた価格で資産を購入または売却する権利を契約者に与えるデリバティブ契約だ。原資産が権利行使価格に達しない場合(アウト・オブ・ザ・マネー、OTM)、オプションは無価値となり失効する。コールオプションを購入することは、資産価格の上昇を予想していることを意味し、プットオプションを購入することは、下落を予想していることを意味する。

「6月末から7月末にかけてのOTMコール・スプレッドのロングポジションが多く買われ、オプションの流れは明らかに強気だ」と、機関投資家向け暗号資産(仮想通貨)デリバティブ取引ネットワークのParadigmは、テレグラムのブロードキャストで述べた。

暗号資産デリバティブのプライマリートレーディング会社Arbelos Marketsの共同創業者ジョシュア・リム(Joshua Lim)氏は、6月4日に「非常に集中したコール買い」があったと指摘した。6月28日満期のコール・スプレッドが7万4000ドルから8万ドルの行使価格で約1100枚も購入され、約8000万ドル(約124億円、1ドル=155円換算)の想定需要を表しているという。

コールスプレッドとは、より低い権利行使価格でのコールオプションの購入と、同じ満期日のより高い権利行使価格での同量のコールオプションの売却を同時に行うことで、限られた価格上昇から利益を得ることを狙うオプション取引戦略だ。

デリビットのビットコインオプションヒートマップ。(Deribit via Arbelos Markets)

ビットコインは3月中旬に7万4000ドル弱という史上最高値を記録した後、約3カ月間、調整局面が続いた。5月初旬に一時5万7000ドルを割り込んだが、その後は順調に回復し、現在は7万1000ドル前後で推移しており、史上最高値まであとわずかだ。

暗号資産投資サービス会社Matrixportは6月5日のXへの投稿で、アメリカのビットコイン現物ETF(上場投資信託)への大量の資金流入と先物市場の建玉残高の増加に支えられ、ビットコインは「さらに上昇する準備ができているようだ」と述べた。

Matrixportは、7万2000ドルを上回る急騰はショートスクイーズを引き起こす可能性があると指摘している。その価格帯の周辺には、約15億ドル(約2325億円)相当のレバレッジをかけた価格の下落を予想する先物契約が集中しているため、これら清算される可能性があり、上昇に拍車をかける可能性があるためだ。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Bitcoin Options Traders Anticipate Imminent Breakout Above $74K to New Record Prices