パクソス、利回り付きステーブルコイン「リフトドル」を発表
  • パクソスのリフトドルは、米国債のリターンに連動した約5%の利回りユーザーに提供する。利回りはプログラムによって毎日支払われる。
  • リフトドルはアブダビ・グローバル・マーケット(ADGM)の金融サービス規制庁(FSRA)によって規制されている。

暗号資産(仮想通貨)取引プラットフォームのパクソス(Paxos)は、米ドル建て利回り付きステーブルコイン「リフトドル(Lift Dollar:USDL)」をローンチしたと6月5日に発表した。

リフトドルは、パクソスのアラブ首長国連邦(UAE)部門であるパクソス・インターナショナル(Paxos International)が発行し、アブダビ・グローバル・マーケット(ADGM)の金融サービス規制庁(FSRA)による認可を受けている。

テザー(Tether)やサークル(Circle)といった最大手のステーブルコイン発行企業は、発行と引き換えに顧客から得たドルを米国財務省短期証券、いわゆる米国債に投資し、数十億ドル相当の利回りを得ている。現在、米国債が生む利回りをベースに、複数の利回り付きステーブルコインや、トークン化米国債が登場している。

リフトドルは、同社が発行するほかのステーブルコイン、つまりペイパルUSD(PYUSD)、パックスドル(Pax Dollar:USDP)、パックスゴールド(Pax Gold:PAXG)と同じ構造になっているとCEOのチャールズ・カスカリラ(Charles Cascarilla)氏は述べた。これらのステーブルコインは米ドルと1対1で連動し、米国債で裏付けられ、破産手続きの対象にならない資産として安全に保管され、慎重で責任ある規制当局によって監視されていると同氏は続けた。

「我々はプログラムによる日次利回りをリフトドルに採用したので、従来のステーブルコインの考え方である当座預金商品というよりも貯蓄商品に近い」「(リフトドルは)ドルへのアクセスの民主化から一歩踏み出し、リスクフリーレートも可能な限り最も安全な方法で民主化する」

リフトドルは、規制ガイダンスが存在しないため、米国では利用できない。

プレスリリースによると、リフトドルはローンチ段階ではアルゼンチンに重点を置き、流通パートナーであるリピオ(Ripio)、ブエンビット(Buenbit)、TiendaCryptoを通じて消費者に提供される。

「ローンチに際して、本来の資産管理手数料である30ベーシスポイントではなく、20ベーシスポイントに引き下げたため、ユーザーは5%以上の利回りを得られる」とパクソスのプロダクト責任者、ロナック・ダヤ(Ronak Daya)氏はインタビューで述べた。

|翻訳:廣瀬優香
|編集:CoinDesk JAPAN編集部
|画像:Danny Nelson/CoinDesk
|原文:Paxos Unveils Yield-Generating Stablecoin Lift Dollar