ビットコイン先物の建玉が過去最高の377億ドルに──トレーダーは最高値更新を期待
  • 建玉が377億ドルを超え、ビットコインのトレーダーはBTC先物ポジションの新記録を樹立した。
  • 建玉残高の急増は、ビットコイン現物ETFへの過去最高額の資金流入と強気なロングショート比率に一致しており、市場心理が良好で、今後数週間のうちにビットコインが過去最高値を更新するという期待を示している。

6月6日遅くに建玉が377億ドル(約5兆8435億円、1ドル=155円換算)を超えた。ビットコイン(BTC)トレーダーは、BTC先物で史上最高のポジションを築いていることになる。

これは、3月中旬にビットコインが7万3700ドルの最高値を記録した際の370億ドル(約5兆7350億円)弱という最高値を上回るものだった。

The Blockの報道によると、この急騰は、ビットコインの現物ETF(上場投資信託)が 18日間で過去最高の資金流入を記録したことがきっかけになった。SoSovalueの速報データによると、ブラックロック(BlackRock)のIBITは6月6日に3億4000万ドル(約527億円)の純流入を記録したが、一方、アーク・インベスト(Ark Invest)のARKBは9700万ドル(約150億3500万円)近い純流出となった。

Coinglassのデータによると、6月3日以降、50億ドル(約7750億円)以上の建玉残高が追加され、BTC価格は6万8500ドル台から7万1000ドル台まで上昇しました。377億ドルのうち、伝統的な金融の中心地であるシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)が110億ドル(約1兆7050億円)で最高額を記録し、暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)が80億ドル(約1兆2400億円)でそれに続いている。

ロングショート比率は大幅に上昇しており、強気な見方に偏っていることがうかがえる。データによると、この比率は6日の0.94から7日の早朝には1.00以上に上昇した。

ビットコインのロングショート比率

1を超える比率は、ロングポジションがショートポジションよりも多いことを意味し、その資産に対する市場のセンチメントがポジティブであることを示唆する。一方、1未満の比率は、ショートポジションがロングポジションよりも多いことを意味し、ネガティブな期待を示唆する。

そのために、一部のトレーダーは、リスク選好の高まりや規制面での期待感の高まりを理由に、ビットコインが今後数週間でさらに上昇すると予想している。

「ビットコインは、7万1000ドルから7万3000ドルのゾーンにある抵抗線を克服し、金融市場の楽観的な見方を受けて、数週間以内に過去最高値を更新する可能性がある」とWeb3フィンテックプラットフォーム、YouHodlerのマーケット責任者であるルスラン・リエンカア(Ruslan Lienkha)氏は7日のメールでCoinDeskに語った。 「このようなポジティブな感情は、アメリカとヨーロッパで今後金利が引き下げられるという期待から、リスク資産への資金流入が刺激されることで引き起こされている」

「ゲームストップ(GameStop)などのミーム銘柄や、レーティングの低いその他のペニー株の活発な取引は、リスク許容度の高まりを示している」とリエンカア氏は付け加えている。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Bitcoin Bets Hit Peak of $37B as ETF Inflows Set New Record