- アナリストは、消費者物価指数(CPI)の発表やジャネット・イエレン財務長官のスピーチなど、重要なマクロ経済イベントにより、今後1週間の市場のボラティリティが増すと予想している。
- 予想を上回るアメリカの雇用統計の発表を受け、暗号資産市場は下落し、ゲームストップなどのミーム銘柄も下落した。そしてアルトコインやミームコインといったリスクの高い資産にも影響が及んだ。
ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)は週末からほとんど変化が見られなかった。6月7日に4億ドル(約620億円、1ドル=155円換算)のレバレッジが解消された後、建玉残高と取引量が低迷し、市場の勢いが弱まったためだ。
しかし、Presto Researchのアナリストは、CoinDeskに提供したマーケットレポートの中で、12日の消費者物価指数(CPI)発表、13日の連邦公開市場委員会(FOMC)会合、14日のジャネット・イエレン(Janet Yellen)財務長官のスピーチといったマクロ経済のカタリストにより、来週には市場のボラティリティが戻ると予想していると述べた。
ビットコイン先物取引における過去最大のレバレッジ構築により、7日に非農業部門雇用者数(NFP)の発表を受けて市場が急落し、強気派は損失を被った。NFPの数値は予想を上回り、アメリカ経済は予想の18万5000人に対し、27万5000人の雇用増加となった。BTCは発表後、7万1000ドルから6万9000ドルへと急落した。
一方、ゲームストップ(GameStop)の株価が下落し、アルトコインやミームコインといったリスクの高い資産の重しになったようだ。主要なミームであるドージコイン(DOGE)と柴犬コイン(SHIB)は最大10%下落した。
7日以降、未決済の先物契約の数量を示す建玉残高は、990億ドル(約15兆3450億円)から600億ドル(約9兆3000億円)へと減少しており、トレーダーが多くのポジションを手仕舞いしたことがうかがえる。Coinglassのデータによると、過去24時間で取引量は10%減少した。
10日の欧州時間の序盤、BTCは6万9400ドル強で取引され、ETHは3660ドル前後で取引された。ソラナ(SOL)とエックス・アール・ピー(XRP)は小幅な損失となった。バイナンスコイン(BNB)は、先週710ドル超という過去最高値を記録した後、トレーダーが利益確定を行ったとみられ、5.5%下落した。
カルダノ(ADA)は、ネットワークとトークンのファンダメンタルズに影響を与える可能性のある技術的イベントが確認されたことを受け、月曜日にわずかに上昇した。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
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|原文:Bitcoin, Ether Little Changed Over Weekend After $400M Liquidation Rout