ビットコイン、一時6万6000ドル付近まで下落──12日はCPIとFOMCで「荒れた展開」か

暗号資産(仮想通貨)市場は11日、さらに下落し、ビットコイン(BTC)は6万6000ドル近くまで下落した。トレーダーは12日のインフレデータの発表と連邦公開市場委員会(FOMC)を前に警戒を強めている。

ビットコインは11日朝は7万ドル付近だったが、米取引時間中に3週間ぶりの安値6万6170ドルを記録。その後、6万6500ドル付近まで反発したものの、24時間で5%近く下落した。

アルトコインはさらに大きく下落し、暗号資産市場の広範なベンチマークであるCoinDesk 20 Indexは20銘柄がすべて下落、6%を超える下落となった。イーサリアム(ETH)は3500ドルを割り、6.5%の下落。ソラナ(SOL)、ドージコイン(DOGE)、カルダノ(ADA)、チェーンリンク(LINK)も6〜9%下落した。

CoinGlassによると、突然の下落により、デリバティブ取引では2億5000万ドルを超える清算が発生。7日の4億ドルの清算に続き、過去1週間で2度目の大規模な清算となった。

Crypto liquidations (CoinGlass)
(CoinGlass)

ヘッジファンドのQCPは、下落の背景の1つとして、12日に発表される5月の消費者物価指数(CPI)と連邦公開市場委員会(FOMC)を前に、投資家が暗号資産からの「リスク回避」をしていると述べた。

K33 Researchは、ビットコインは最近、経済データに「非常に敏感」に反応しており、米株式との30日相関が2022年以来の最高水準に上昇しているため、12日は不安定な動きを見せる可能性があると指摘した。

「5月の消費者物価指数(CPI)データとFOMCでの金利決定の両方が市場を動かす構えを見せているため、12日はマクロ経済面で荒れた展開となるだろう」とK33のアナリストは述べている。

「FOMCドット・プロット(FOMCメンバーの金利見通し)とパウエルFRB議長の記者会見における見通しは、ビットコインが市場の金利見通しに敏感になっているなか、最も重要な価格変動要因となる可能性が高い」

市場関係者は、短期での回復を示すいくつかの好材料が下落時に見られたと指摘している。

ビットコインは今年、FOMC会合前に何度も反落しているが、その直後にはすべて反転していると匿名の暗号資産アナリスト、GumshoeはXに投稿した。

暗号資産取引所ビットメックス(BitMEX)とバイナンス(Binance)のビットコイン先物の建玉は今朝、違う動きを見せたと暗号資産分析プラットフォームCryptoQuantは、匿名トレーダーのBQYoutubeの分析を引用してXに投稿。

「この現象は、ビットメックスのクジラ(大口投資家)がポジションを積み上げる一方で、バイナンスの個人投資家が撤退する際によく見られる」と書いている。

QCPは「短期的には逆風だが、ビットコインを買い集めるには良い機会かもしれない」と述べた。

|翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部
|画像:CoinDesk
|原文:Bitcoin Pullback to $66K Triggers $250M in Crypto Liquidations as Traders Brace for ‘Wild Wednesday’ of FOMC, CPI Report