暗号資産と人工知能は20兆ドルのメガトレンドになる:ビットワイズ
  • 人工知能(AI)と暗号資産が合流することで、2030年までに世界経済に総額20兆ドルが追加される可能性があるとビットワイズは報告書で述べている。
  • ビットワイズは、ビットコインマイナーはAI企業が必要とするリソースをすべて持っていると指摘している。
  • 暗号資産とAIは、情報検証や仮想アシスタントなど、マイニング以外の分野でも交差する可能性を秘めているという。

資産運用会社のビットワイズ(Bitwise)が6月12日に発表した報告書によると、人工知能(AI)と暗号資産(仮想通貨)は2030年までに世界経済に合計20兆ドル(約3100兆円、1ドル=155円換算)を追加する可能性がある。

「AIと暗号資産の交差点は、人々が想像する以上に大きなものになるだろう」と、暗号資産リサーチアナリスト、フアン・レオン(Juan Leon)氏は記しており、「2つの産業は2030年までに世界総生産に合計20兆ドルを追加する可能性もある」と付け加えている。

「AIの覇権をめぐる競争は、データセンター、AIチップ、電力供給の不足というかつてない事態を引き起こしている」とレオン氏は述べ、クラウドサービス大手4社が2025年までにデータセンターの増設に約2000億ドル(約31兆円)を投じる見通しであることを指摘した。これは主に、AI企業からの需要増に対応するためのものだ。

ビットコイン(BTC)のマイナーは、強力なチップ、ハイテク冷却システム、それに付随するインフラなど、AI企業が求めるあらゆるリソースを保有していると報告書は述べており、先週のクラウドコンピューティング企業のコアウィーブ(CoreWeave)によるビットコインマイナーのコア・サイエンティフィック(Core Scientific)への買収提案は、この需要を裏付けるものだ。コア・サイエンティフィックは、コアウィーブのAI関連サービスをホストする35億ドル(約5425億円)の契約という、これまでの最大規模のマイナーとAIのパートナーシップも発表した。ビットワイズは、ハットエイト(Hut 8)、アイリス・エナジー(Iris Energy)などのマイニング事業者も今年、AIホスティングの取り組みを発表していると指摘している。

報告書によると、暗号資産とAIは、ビットコインのマイニング以外の分野でも関連する可能性があり、情報検証や仮想アシスタントなどがその例に挙げられている。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Crypto and Artificial Intelligence Could be a $20 Trillion Megatrend, Bitwise Says