- テラフォーム・ラボとその元CEOのド・クォン氏は、不当利得返還金、判決前利息、民事罰金としてSECに対して45億ドルを支払うことに同意した。
- この和解は、この訴訟を監督するニューヨークの裁判官によって承認される必要がある。
- この和解には、クォン氏とテラフォーム・ラボに対して暗号資産証券の売買を永久に禁止することも含まれている。
45億ドルの支払いで和解
テラフォーム・ラボ（Terraform Labs）とその元CEOのド・クォン（Do Kwon）氏は、米証券取引委員会（SEC）との和解契約に同意し、不当利得返還金と民事罰金として合計45億ドル（約6975億円、1ドル155円換算）を支払うことになった。
12日に提出された和解契約には、クォン氏とテラフォーム・ラボに対して暗号資産証券の売買を永久に禁止することも含まれている。テラエコシステムのすべてのトークンも対象だ。
監督裁判官の承認が必要
SECの弁護士は、最終判決案に加えて、この訴訟を監督するニューヨーク南部地区連邦地方裁判所のジェド・ラコフ（Jed Rakoff）裁判官に対して和解契約を承認するよう求める書簡を裁判所に提出した。
弁護士は、「判決案が承認されれば、厚かましい不正行為に手を染める人々だけでなく、連邦証券法の管轄下にある暗号資産に対する新しい行動基準を作成することで連邦証券法の要件を回避しようとするすべての人に対して、明確な抑止メッセージを送ることになるだろう」と述べた。SECはそれ以上のコメントを控えた。
テラフォーム・ラボの代表者は、和解案やそれがテラフォーム・ラボの将来に対して何を意味するかについてコメントを控えた。
ニューヨークの陪審員団は4月、2022年5月にテラエコシステムが400億ドル（約6兆2000億円）の損害を出して崩壊したことに関連してSECが提起した民事詐欺罪でクォン氏とテラフォーム・ラボに責任があると認定した。クォン氏は現在もモンテネグロで身柄を拘束されており、テラ崩壊における役割に対する刑事訴追のためアメリカまたは母国韓国のどちらに引き渡しを行うかの決定を待っているが、裁判には出席しなかった。
裁判所の文書によると、クォン氏とテラフォーム・ラボの現CEO、クリス・アマニ（Chris Amani）氏は両者とも6月6日に和解条件に同意したが、和解契約が拘束力を持つようになるには、この訴訟を監督するニューヨークの裁判官の承認が必要になる。
テラフォーム・ラボの提案より高額
テラフォーム・ラボとクォン氏が不当利得返還金、判決前利息、民事罰金としてSECに支払うべき44億7382万8306ドルのうち、クォン氏は少なくとも2億432万196ドルを自身で支払わなければならない。この高額な罰金は、SECの最初の和解案である53億ドルの罰金よりわずかに低いが、テラフォーム・ラボが4月にSECの最終判決を求める動議に対する反対意見書で裁判所に提案した軽い処罰（100万ドルの民事罰金で、不当利得返還金や差し止め命令はない）よりははるかに高い。
テラフォーム・ラボの裁判中、アマニ氏は、現在連邦破産法11条（チャプター11）の破産保護下にある同社には約1億5000万ドルの資産が残っていると証言した。
｜翻訳・編集：林理南
｜画像：CoinDesk TV
｜原文：Terraform Labs, Do Kwon Agree to Pay SEC a Combined $4.5B in Civil Fraud Case
