カーブ創設者の借り入れが精算に直面、CRVが 30%急落
  • カーブの創業者が数百万ドルの清算リスクに直面し、CRVが急落した。
  • データによると、創業者のミハイル・エゴロフ氏は、CRVを担保に累積で1億ドル近くを借りている。

分散型取引所(DEX)カーブ・ファイナンス(Curve Finance)のトークン、カーブ・ダオ・トークン(CRV)は、アジア時間の開始直後に30%急落した。創業者であるマイケル・エゴロフ(Michael Egorov)氏に関連すると思われる一部の借り入れポジションが自動的に清算され始めたため、急激な売りにつながった。

ブロックチェーン分析企業のロックオンチェーン(Lookonchain)アーカム・インテリジェンス(Arkham Intelligence)が追跡したデータによると、エゴロフ氏のアドレスは、担保となる1億4000万ドル(約217億円、1ドル=155円換算)相当のCRVに対して、ステーブルコイン(主にcrvUSD)で総額1億ドル(約155億円)近い融資を受けていることが明らかになった。

エゴロフ氏のウォレットを追跡するDebankのプロファイルによると、彼はCRVを担保にInverse、UwU Lend、Fraxlend、カーブのLlamaLendから借りていることが示されている。追跡されたウォレット全体の保有高は、過去24時間で50%減少している。

ウォレット取引からは、エゴロフ氏がリスク軽減のために積極的に行動していることがうかがえる。アジア時間の早い時間帯に、InverseとLlamalendでFRAX、DOLA、CRVによって複数のローンが返済された。また、一部のアドレスでは、CRVとテザー(USDT)の間で複数のスワップが行われたことがデータからわかる。

(Debank)

このような大規模なポジションの清算は、CRVがエコシステム全体の取引ペアや取引プールのバラストとして使用されているため、他のDeFiプロトコルにも圧力をかけ始めた。

別のレンディングプロトコルであるFrax Lendの1つのアドレスでは、CRVの価格下落に伴い、330万ドル(約5億1150万円)のポジションが清算された

エゴロフ氏の借りたポジションが暗号資産(仮想通貨)市場に波紋を広げたのはこれが2度目だ。2023年には、複数のカーブのレンディングプールがエクスプロイトされたことで、CRV価格が急落し、1億ドル以上が清算されるリスクにさらされた。

当時、トロン(Tron)の創設者であるジャスティン・サン(Justin Sun)氏などのDeFiの大物たちが介入し、流動性を供給して不良債権の発生を防いだ。また、彼らは暗号資産エコシステム全体に悪影響が及ぶリスクを防ぐため、割引価格で数百万ドル相当のCRVを購入した。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:CRV Slides 30% as Loans Tied to Curve’s Founder Face Liquidation Risk